SSやオフ再録
行事:生誕(ルック・湊)
「何やってんのさ、あんた達…」
ダンスステージの合間の休憩時、ルックがあきれたようにつぶやいた。
「あ、ルック!!どうだったー?」
「クリスマス企画ってんで頼まれたんだよね。衣装は元々赤いからそのままでいいって言うし。」
湊は愛らしく、詩遠は黒い笑顔を見せて答えた。
「…どうって、べ、別に…。ていうか詩遠、あんたが大人しく頼まれるとか…。」
「おや、心外だね?俺だって頼まれれば快く受け付けるさ。」
「…で?」
「…湊との1日デート権」
「っっっ……!!み、湊、君、条件知って!?」
ルックの般若のような勢いに押されながら、湊は首を傾げて答えた。
「??…えっと…よく分かんないけど、シュウさんが興行収入の為に、詩遠さんと踊ってくれっていうのと、ああ、後、ものすごく不本意そうに、詩遠さんと今度遊びに出かけて下さい、とは言ってたよ?何だろね、遊びになんて、頼まれなくても、喜んで出掛けるのに。」
色んな意味でシュウめ!!
ルックは見えない相手を睨んだ。
アイツ、興行や商業収入絡むとえげつないからね…。
それに2人とも、お互いの108星の一員である、超人気プロダンサーに認められるほどの腕前。
それに凄まじいほどの普段からの人気具合。
それは凄い事になるであろう事は目に見えている。
現にステージ外野が激しくうるさい。
…ただでさえ詩遠がふざけた事言ってるというのに。
(まあ、させないけどね、デートだなんて。)
ルックはだが、皆が湊を邪な風に見るであろうことを思い、小さく舌打ちした。
「…ルック…?怒ってる?」
楽しそうだった湊が叱られた子犬のような顔をした。ルックは慌てて否定する。
「い、いや!怒るワケないだろ!」
「ルッきゅんはアレだよねー。ヤキモキして、ついでに妬かなくていいヤキモチまで妬いてるだけだよねぇ。」
詩遠がニィ、と悪魔のような、恐ろしげなのに魅力的な笑みを浮かべる。
「違っ…」
「そうなの?そんなの妬く必要なんてないのに。だって僕は全部ルックのものなのに。」
「っ。」
「ふふ、たまに湊って男前だよね?ほんとルッきゅんにはもったいないなー。ほんといい子だね、湊。じゃあラストスパート行こうね?一応、仕方ないからルッきゅんの為に体力残してあげなね?」
「っば…」
「はいっ。じゃあ、後でね、ルック…。」
ずっと口をパクパクさせているルックに、また、湊は愛らしく(だがルックには妖艶にしか見えなかったが)、詩遠は黒い笑みを見せてステージに向かって行った。
「っくそ。…こうなったら今日は離さないからね、湊…。」
ルックはボソリと呟いた。
とりあえず、湊の好きなケーキと、後はプレゼントとして、スキルリングを手に入れて準備はしてあった。多分湊は思いも寄らないだろうが。
まあ、覚悟してよね、湊。
ルックも何とも言えない笑みを浮かべた。
HAPPY merry Xmas!!