涼の風吹く放課後 お試し版
そして、放課後の涼の日課である歌と振り付けの自主トレーニングには、出来るだけ俺も見てあげるようにしていた。涼に頼まれたからというのももちろんあるが、なんとなく、折角親密になった涼を、大切に維持していきたいというような、そんな気持ちがあった。
自分の中で自分の感情が何処へ行こうとしているのか、自分でも見当がつかない感覚を覚えていたが、とにかく、自分の意識としては涼を守ることを第一にしよう、そう考えることで自分を保っていた。そんな時期が、ずっと続いていた。涼が、イトコを頼るという決心を固めるまでは。
作品名:涼の風吹く放課後 お試し版 作家名:みにもみ。