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涼の風吹く放課後 お試し版

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 その言葉につき動かされるように、俺は涼の両肩をぎゅっと掴んで、そして、強引に唇を合わせた。涼は、一瞬体を強張らせたが、唇が唇に触れた瞬間、ふわっ、っとその力が抜けた。
 何十秒と、キスを続けていた気がする。息が苦しくなるまでキスを続け、そして、脱力した涼の体をぎゅっと抱きしめた。涼の髪と、身体からふわっと立ち上る香りに包まれると、脊髄から電流が頭まで駆け抜ける感覚を覚える。涼の腕が、俺の背中に回ると、ぎゅっと抱き返してくれた。
「ねぇ、勇。」
抱き合った体勢のまま、涼が俺の耳元にささやきかける。
「どうした、涼。」
「僕、アイドルなんだよ。こんな目立つ場所じゃ、駄目だよ。」
「あ、ああ。」

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