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Aの憂鬱

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「じゃ30。」むーつとしてる。
「だから好きに書けば?」
「両方書いてやる…。」
良いけどね。記憶喪失かぁ。いっそなりたい位だ。
「はいはい。おれに見せなくていいから。」勉強で手一杯。
「…モデル料はいいのか?」
「もらうよ。製本したら頂戴。読まないけど。」
「読んでくれないならもらっても仕方ないだろうに。」
「飾るよ。」いずれほとぼりが醒めたら処分するけど暫くは飾っておく。
「だから綺麗なのを作ってくれ。」複雑そうな顔して誘いた。
「内容はどうでも良いのが…」
「おれが好きだって書いてあるんだろ?」
珍しく驚いた顔してる

あれ?違うの?
嫌がらせだったのがな?


何がポソッと口の中で言ったようだが聞こえなかった。
「何?」
「破り捨てたくせに。」
「今だって読んだら処分するよ。気持ちだけもらっとく。」

大きく溜息を吐いて
「では仕方ないが。」と睨んでる。

睨むなよ。溜息吐きたいのはお互い様。
本当にどうしてこんな変な趣味を持ったんだうう。

2・3日不機嫌そうだったがそのうちまた楽しそうに書いている。
仕事も真面目にしてるし読めと言わなくなっただけましなんだけど…ちょっと憂鬱。


作品名:Aの憂鬱 作家名:ぼの