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ヒオウ・ヒナタ~~溺愛魔王と俺様~~

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何の変哲も無い格好をした少年のはずである。
だがヒナタにはただの少年には見えなかった。

なぜだろう。
顔は、たしかに美形だ。
涼しげな目に鼻筋がとおっており引き締まった唇。
後姿から見えなかった黒髪に、アメジストの瞳。
軽く日に焼けた肌。

だけど、違う。
そんなのが僕を圧倒しているんじゃない。
華奢であろう体からは想像もつかないほどのこの存在感、威圧感はなんだ。
ヒナタはその少年から目が離せなかった。

「お、ヒオウじゃねえか。久しぶりだな、元気だったか?てことはやっぱさっきのはグレミオだな。」

ビクトールがその少年に声をかけた。
少年の威圧感はこちらを認めた際には消えていたようだったが相変わらず存在感は際立っていた。

「・・・ビクトール・・・。フリックも・・・。・・・・・生きてたんだ?」

少し驚いた顔をした後、顔にあった涼しげな声でその少年は言った。
あ、ルックが言ってた台詞に似てるなあとヒナタは何気に思った。

「お・・・?お、おお。」
「それに、やあ、ルック。久しぶりだね。」
「・・・久しぶり。元気そうだね。」
「えーと、それから・・・」

ヒオウと呼ばれた少年はヒナタを見た。ヒナタは相変わらずヒオウから目が離せないでいた。

「あ、ああ。こいつはヒナタ。今俺たちが戦っている戦いのリーダだ。」
「へえ。」

フリックがヒナタを紹介した。ヒオウは二コリと笑った。