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intermission

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intermission

何処と無く焦点の合わない目。ボーっとしているとアムロに覗き込まれる。
「本当に疲れているようだな。もう一杯もってこようか?」
「あ…。いや。いい。」「そうか…。じゃ俺はこれで、一人になりたいんだろ?」
と振り向きもせずに行ってしまう。止める間もない。
独りになりたいわけでも無いんだがな。溜息をつく。

作戦の成功にカバラは沸き立っていた。
戦時ではあるまじきパーティ騒ぎにも許可が出た。

「大体何処にこんなにお酒を置いてあったんだ?」とアムロはハヤトに聞いてみた。
「厨房とか倉庫とか、俺が報告受けている数より多い気がするが?」気のせいかなあととぼけて見せる。
「大人だねえ…。いい艦長ぶりだ。」
「それは3人も子供がいればな。それよりアムロきみは酒控えめにしろよ。」
「これは水」「さっき飲んでいただろう?」
「水割り一杯だけだ。もう飲まないよ」じゃあMS見て来るからと部屋から出て行った。

アムロ・レイが酒癖が悪いと言う噂が密かに出回っていてハヤトは頭を痛めていた。
「あれは酒癖と言うより寝起きじゃないかなあ」と自分も被害に遭っているのでそう思うのだが世間は納得しない。
チャンスがあれば確かめようと言う命知らずがいるらしい。
ベルトーチカが眼を光らせているので今の所実行に移されてはいないがこんな日は危ない。
はあ〜。ブライトの苦労が良く分かる。しみじみ思うハヤトである。

当のアムロはさっきは言いすぎたかなと思いながら歩いていた。
「人身御供の家系ねえ。嫌だな。それにしてもあのセリフ」
『これでわたしは自由を失った』
「結婚決めた男のセリフみたいだ」あはは。

今日は無礼講。と解釈した人があちこち。
いや。ちゃんとシフトで働いている人たちがいるんですが、非番の連中が羽目をはずしている。
「アムロ大尉、一杯如何です」「秘蔵の酒が」とあちこちで声をかけられるがにこやかに
「悪い、まだMSの調整があるから」と断って歩いている。

歩くのが早くて酔っ払いには絡む隙が見えない。
「さすがはニュータイプだ」「足が浮いていたんじゃないか」とまた噂が都市伝説みたいに増えていくようである。
軍隊にはジョークが必要だ。

「今日こそ大尉の噂を確かめたい…」と思い詰めているフアンが一人。カミーユに詰め寄っている。

「お願いします。これをアムロ大尉に飲ませてください。」
「はあ?何ですかこれ?」
「お酒です。」「なんで僕が。自分で勧めてください。」
「そんな…恐れ多い。大尉に直接話しかけるなんて。」
「アムロさんは気さくな人ですよ?」

「恥ずかしくて出来ません!それにビジュアルの問題が!!」びじゅある?
「はあ?」「ともかくお願いします。駄目ならクワトロ大尉でも!」でも?

じっとポットを押し付けるその目が据わっている。
根がフェミニストなカミーユは迫力に押されつい
「ともかくこれをアムロさんに飲ませれば良いんですね?」
「はい!私はカメラで見ていますから!」カメラ?

良く分からない人だと首をひねりつつ教えられた通り格納庫に向かった。
離れて付いてきているらしい。気配が無いぞ。
ちょっと怖いかも…。今更ながら迫力負けした自分に舌打ちをした。

宴もたけなわ様子を見に来たハヤト艦長の袖をベルトーチカが引っ張る。
「○×さん見ませんでした?」「見て無いが、今日のシフトなら仕事中のはずだが?」

「さっき確認したら居ないのよ。勝手に変更したらしいわ。またアムロの隠し撮りでもしているんじゃ無いかしら。」
ハヤトは思わず天を仰ぐ。
「なんでわざわざ隠れて取らなきゃいけないんだ…」「マニアに言っても無駄よ。」

 マニアってなんだ!この忙しいのにそんなのいらないぞ。と言いたいハヤトである。
「とにかく現場押さえて文句言ってやるわ。」これはほっとくと喧嘩だな。
「私も行こう。」溜息つきたいのを我慢して言うのがやっとだ。

「アムロさん」「カミーユどうしたんだこんなとこまで?」
「お疲れ様です飲み物如何ですか?」ポットからコップに注いで渡す。
早くお役御免になりたい一身である。お酒のにおいがしないなあ?何のお酒だろう?

「ありがと。」アムロはそのまま口をつけクイと全部飲んでしまう。
「あ…」止める気は無かったけど、だって何か不気味だし。
「アムロさん?」やばいものでも入っていたらどうしよう。今更ながらに青くなる。

アムロは顔をしかめて「これ…、日本酒?」「ですか?」
「カミーユ…」脱力されている。

「すみません!」もう!謝ってしまえ。
「怖いお姉さんに押し付けられて、断りきれなくて。大丈夫ですか?」
「勤務中なんで拙いけど、酒は美味いよ。それより子供に何を頼むんだか。」はあ〜。

「すみません…」顔が火照る。
「いや。それより部屋で休んでないとクワトロ大尉に叱られるんじゃないか?」
「はあ。」どうしよう。このまま戻りたくないような…。「あの…」

「みつけたわよ!」とベルトーチカの怒鳴り声。
「ベル?」アムロが声のほうに走っていく。
カミーユもつられて走り出す。角を曲がってすぐにもめている二人がいる。
「そのカメラ遣しなさいよ。」「嫌です〜。」女二人でつかみ合いだ。

「よさないか。」ハヤトが止めに入っているが二人とも聞いてやしない。
「ベル!」アムロもあわてて止めに入る。後ろから羽交い絞めだ。
「やめるんだ。」「あ、アムロ。」ころっと表情変えてにっこりする。
カミーユは内心こんな所は変わらないんだなと思う。ちょっといやだな。

「どうしたんだ?」「聞いてよ。この人隠し撮り。あ!逃げた。こら〜!カメラよこせ!」
「ベル。隠し撮りなんか気にしなくて良いから。」「でも!」
「いいのかアムロ」「裸は撮られないようにするから。」
そういう問題なのか!と三人とも思った。

「アムロさん。勝手に撮られて気にならないんですか?」
「写真は写真だろ。別に何にも?」「じっと見られて気にならないの?」
「死ぬわけじゃ無し。」だから!そういう問題なのか?

「なんか違うと思います!」「そうよ!変よ!」二人して詰め寄る。
「え〜と」困った顔して肩をすくめる。
「二人ともアムロに説教なら任せてくれ。コツがあるから。」

「そーなんですか?」「教えて!」最近この二人気が合うようだなとハヤトは思った。
「ブライトとかうちの嫁さんが苦労の末習得したものだから簡単には教えられないな。」
「ハヤト。」「え〜ずるいです。」「教えてもらおうなんて方がずるいだろ」

ずるーい。ずるーい。と騒ぎ出す。アムロは「仲良いな。」とにこにこ見ていたが、
「ハヤト俺まだ調整があるから。これ彼女に返しておいてくれ。」とポットを渡して戻っていつた。
…ずるくないか?

角を曲がると騒ぐ声がする。カミーユとベルトーチカがハヤト艦長に詰め寄っているようだ。
おかしな組み合わせだなと思う。

「楽しそうだな。」「クワトロ大尉。いらしてたんですか」
「今日はお疲れ様です。」にっこり笑ってベルが言う。「君のほうこそ。で?何の騒ぎだ?」

「アムロさんが、あれ?いない。」「アムロ?」ふたりで周りを見回している。
作品名:intermission 作家名:ぼの