漂流をしている。
3
酷い揺れを感じ目が覚めた。
目を開ける前から今日の天気を理解して気が滅入る。
ぐらぐら揺れて安定の悪い床の上を這うような速度で歩く。
カーテンを開けるとそこは想像通りの曇天と酷い雨。大きく揺れる波。
ああ 雨だ。
賢い鳥達や妖精に助けてもらいなんとか手紙や書類を回収するも、あまりに激しく波に揺られたからか、蓋の隙間から水が入りこみ幾つかはダメになっていた。
とりあえずそれらはテーブルに広げておいて、関係者に連絡を取る。
今日は雨が酷いから仕事は出来無いこと。
書類が幾つかダメになっていたこと。
必要なところに連絡をつけたら後は早々に寝る。
あまりに酷い揺れで立っているのもやっとなのだ。起きて何か作業をすることなど出来るわけがない。
ベッドにもぐりこんで頭まですっぽりシーツを被る。
きつく目を閉じ背を丸め耳をふさぐ。
起きたら晴れているといい。先の先まで見通せる静かな波になっているといい。
雨がやんでいるといい。