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FF7ヴィンセントのお話

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 ティファが悲痛な声で叫ぶ。
「仕方がない、ティファ行こう」
 クラウドは辛そうにティファの腕を引っ張った。
 最後の戦場は轟音とともに崩れだした。ホーリーが飛び立とうとしている。

 天使はもう崩れ去ってしまっていた。
 最後に残された1枚の羽を握り締め、単身でホーリーへと墜ちていくカオスの中でヴィンセントは安らかな気分だった。
 その時、青年の澄んだ低音の声が響いた。
・・・もういいよ、父さん・・僕は大丈夫、母さんの所へ行ってあげて・・・・
 そしてホーリーの中から柔らかい光があふれ出し、カオスを包み込んだ。
 ふわりと身体が浮いた感じを最後にヴィンセントの意識は途切れた。
 気がつくと、彼は元の姿に戻りガイアの絶壁に横たわっていた。そこは極寒の地であるにも関わらず、ホーリーの発動により春のように暖かい。
 ヴィンセントはゆっくりと身を起こすとはるか遠くを見やった。
 夜の闇の中、ミッドガルの方向が昼間のように明るく光り輝いている。メテオとホーリーがせめぎあっているのだ。
「遅すぎたのか?」
 じっとみつめているうちに彼の周りから緑色の光があふれ出した。彼の周りだけではない、地上のあちこちから淡い緑色の光の帯が現れた。
「あれは・・・ライフストリーム?」
 いくつもの光の帯=ライフストリームは波を描きながらすべてミッドガルをめがけて飛んでいった。
 1本のライフストリームがヴィンセントの傍らをよぎった。
 その瞬間、また声が聞こえた。今度はガラスのように透き通った少年の声。
・・・きっとまた会えるからね・・・・・・・
「セフィロス!!」
 思わず、ヴィンセントはその帯をつかもうとした。しかし、ヴィンセントの手をすり抜けて緑色の帯はミッドガルへと飛んでいった。

 数え切れない光の帯が集積し、メテオとホーリーを包み込んだ。2つのエネルギーを飲み込んで、やがて再び拡散していく。

 星は救われた。

作品名:FF7ヴィンセントのお話 作家名:絢翔