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りりなの midnight Circus

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「日もすがらグータラと寝てるだけの奴よりは忙しいさ。といっても、俺もお前と同じようなモンだがな」
「で? 結局あんたは俺に何がさせたかったんだ? 結局、リカルド・マックフォートってのはあんただったんだろう? わざわざ影武者を立てるなんてあんたも念が入ってるな」
 エルンストはこの四日間、自分が殺したリカルド・マックフォートに関して考えていた。そして、至った答えが、リカルド・マックフォートを偽装して裏から全てを操っていたのが彼だという考察だった。
 いや、リカルド・マックフォートは本来彼の呼び名なのかも知れないという考えもあり、彼はあえてそう呼んだ。
 そして、今回。それが拙い方向で明るみに出て、それに荷担した罪でエルンストは逮捕。先程ベルディナが言ったように彼もそういう経緯で逮捕されそうになったのだろう。
 何よりも、これで事件は解決か。彼がここに来たと言うことは、彼もいい加減諦めたと言うことだろう。
「お前はでかい間違いを犯してるな。俺がリカルド・マックフォートだって、あいつは死んだ。お前達が殺したんだろうが」
 ベルディナは椅子のない床に腰を下ろすと、そのまま懐を探り煙草を取り出し火をつけた。
「だが、俺たちが殺した相手がリカルド本人だったという証拠はあるのか? そして、お前がリカルドではないという証拠は?」
「ない。だが、確実に言えるのはリカルドもまた巻き込まれた人間の中の一人だってことだ。まあ、巻き込んだのは紛れもない俺自身なんだがな。それに奴の悪行は明かで、死ぬだけの理由もあった」
「それを信じろと? いい加減聞かせてくれてもいいのではないか? あんたの目的は何だ? 俺たちを、高町一尉やヴィータ二尉を巻き込んだ理由は何だ?」
 エルンストはサービスだと言って放り込まれた葉巻を受け取り、彼から火をもらってそれを吹かし始めた。
「理由か……話すと長くなるな」
「ということは、話してくれる気はあるというわけだな。条件は?」
「話が早くて助かる。ともあれ、俺も今は時間のない身分で、操れる手駒も殆ど奪われてしまった。武装隊を首になっち待ったからな」
「そりゃ、ご愁傷様。で、条件は?」
「俺と一緒に来い。この件を画策しやがったクソ野郎をやりにいく。お前の力が必要だ」
「断れば?」
「このまま一生ここから出られない」
「なるほど、ならば悩んでる暇もないか」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪