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りりなの midnight Circus

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 最初は直立不動を保っていたなのは、それでもはやてのその笑顔につられて次第にその頬には笑みが浮かび上がっていく。
「久しぶりやなぁ、なのはちゃん。元気やったか? また痩せたんとちゃう?」
 はやてはおざなり程度に略式敬礼を交わすと、すぐになのはの手を握り最近の近状を報告し合った。
「はやて、あたしもいるぞ。無視すんな」
 はやてがあまりにもなのはばかりに話しかけるので、ヴィータは業を煮やしてはやてにからみついた。
「ごめんな、ヴィータ。そやけど、ヴィータはこないだも会ったやん? そやからなのはちゃんとな、ゆるしてな」
 はやてはヴィータの頭を撫でながらそういって微笑んだ。ヴィータははやての笑顔に弱かった。そしてその手で頭を撫でられると、どうしようもなく口がふさがってしまうのだ。
(女三人集まれば云々というのはこういう事かな)
 南雲はそう思い苦笑いを浮かべると、同じく話しについて行けない仲間である所のエルンストを見つけ、視線のあった彼に対して肩をすくめた。
「君も、なかなか面倒な所に立たされたね。高町一尉とヴィータ二尉が相手では気が休まらないだろう?」
 かくいう彼も、英雄に近い誉れを持つ八神はやての後輩として彼女と共にあることが多いため、そういった気苦労は茶飯事のことだった。南雲は何となく自分と同じ境遇の仲間を見つけた気がして、極気軽にそう話しかけた。
「自分はそうは思いません。自分にとって気を休めるということは即ち死を意味する事柄ですので、気が休まる休まらないは問題視しておりません」
 南雲はその答えに驚きを隠せなかった。彼の予想ではエルンストはおそらく苦笑いか最低でも肩をすくめる程度には自分に同意してくれるものだと考えていた。
 それが、どうだ。彼の答えは南雲の言葉を全く持って否定するものではないか。
「ま、まあ君のいうことはもっともだ。今後もその気概を持って任務に当たってくれると嬉しい」
 故に彼が用意する答えは上官としてそれを推奨することしかなかった。
「了解です、南雲三等陸佐」
 エルンストは直立不動を崩さずそのまま敬礼を彼に送った。
(変わった……というよりは、とらえどころのないといった方が良いか。底が知れない奴だな)
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪