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りりなの midnight Circus

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 といってもエルンストが言ったことには一定の信憑性もあることは確かだ。一般的に有益な、一般社会において就職に有利な肩書きとしてのその等級はだいたい第二級以上とされている。第三級はひとまず基本とある程度の応用が出来ると言った程度の資格で、マチュアのデバイス技師なら戯れ程度に取れると言った程度のものというのが一般認識だ。
 それでも、アマチュアレベル程度にデバイスをいじることの出来るのなら、通常勤務にデバイスを初めとした周辺機器の整備保守の補佐に回されるのも納得が出来る。
 もしもこれで第二級や第一級を持っていれば、そのままデバイス専門技師になれと勧められるだろうから、エルンストにとっては第三級というものは実に扱いやすい肩書きというイメージもある。
「では、俺はここで失礼します」
 保管庫にたどり着いたエルンストは、その隣の部屋、技術室とかかれた部屋を指さしなのはとヴィータと別れた。
「うん、しっかりね」
「ヘマすんじゃねぇぞ」
 保管庫にデバイスを預け、デスクワークを任された二人は業務へと急いだ。
「それにしても今度はデバイス整備か。あいつ、何でも出来るんだな」
 ヴィータはコンパスの小さい足を懸命にふるって前を行くなのはに着いていく。
「確かに、あの様子だとヘリの操縦とか、連絡士、トラップ解除とか。本当に何でも出来そうな様子だよね」
 ヴィータはなのはが冗談を言っていると感じ、鼻を鳴らして笑い飛ばした。
「おいおい、それじゃまるで……、特殊部隊員じゃねぇ、か?」
 なのはは押し黙った。その可能性は否定できない。それが何で今ここにいて、彼があのプロフィールを持っているのか。それの説明がつかない。
 二人がエルンストの正体を知るのにはまだ時間が必要だった。そして、エルンストさえも知らない彼に纏わる事情を知るのにはさらなる時間が必要だった。
 それは知らなくても良いことだったのか、知るべき事だったのか。少なくとも二人は知りたいと思ったし、彼の口からそれが話される事を望んでいた。
 はたしてそれが正しいことだったのか。二人にとって余分なやっかいごとを引き込むだけのことだったのか。その答えが出ることはない。
 はたして業務終了を告げる18:00まで二人は黙々と作業を続けることとなった。


 
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪