りりなの midnight Circus
「そうだった。高町なのは一等空尉、八神ヴィータ二等陸尉、並びにエルンスト・カーネル一等陸士。特務機動中隊武装A分隊隊長として命令する。本日19:00(ひと きゅう まる まる)に本部棟食堂に集合を命じる。その時間きっかり、三名共に集合のこと。以上、質問は?」
「ありません。任務了解、高町なのは一等空尉以下、武装D分隊三名は本日19:00に本部棟食堂へ集合いたします」
なのはは敬礼を持ってその命令を受諾し、なのは以下、ヴィータとエルンストもそれに習って敬礼を送った。
「よろしい。では、解散とする。通常勤務は既に部隊長からの説明の通り、今更細かく指導することもないだろう。不明な点は逐次周りのものに聞くこと、以上だ」
棋理は敬礼をしてその場から立ち去った。
棋理の姿が通路の向こう側に小さくなっていったところで、ヴィータは肩の力を抜いた。
「だけどよ、こうやって誰かの下に着くってのも久しぶりだよな」
「そうだね。だけど、なんだか仕事に張りがあっていいな」
三人は連れ添って歩き出し、まずはデバイスの管理庫へ向かうこととした。
「そういえば、エルンスト君の勤務は何が当たってたっけ?」
なのはは自分の勤務内容を確認するのに忙しく、彼の勤務についての説明を余りよく聞いていなかった。
「自分はデバイスを初めとした周辺機器の整備保守の補佐を当てられています」
なのははそれを聞いて、「ああ、そうだったね」と答えた。
「デバイスの整備保守って、確か専門技師者ねぇと出来ねぇんじゃなかったか?」
確かにヴィータの言うとおり、デバイスは精密な構造物であるためその安全性と信頼性を保全するためには専門の資格を有する技術者が必要だ。簡単なセッティングなら訓練校を卒業した魔導師であればある程度は出来るが、それ以上にもなると無理があるように思える。
しかし、エルンストは平然中尾をして、
「問題ありません、デバイス整備士の資格は既に取得済です。もっとも、等級は第三級でそれほど高いわけではありませんが」
デバイス整備士資格第三級。それは十分な資格ではないかと残る二人は思うが、それは口にしないこととした。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪