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りりなの midnight Circus

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 軍服をしっかりと身に着け、その階級章が示すものは彼が三等陸佐であることを表している。
 これが、アグリゲット副部隊長が言っていた白河三等陸佐なのだろうと当たりをつけ、棋理以下機動中隊の全員は彼に敬礼を贈った。
「君たちにとっては突然の話で困惑しているだろうが。これより君たち特務機動中隊の指揮は私が取ることとなった。私は白河楓三等陸佐だ、よろしくお願いする」
 中隊面々の敬礼を受け、彼もゆっくりと敬礼を返した。
「よろしくお願いいたします、白河三等陸佐」
 全員声をそろえ、白河が敬礼をといたところを見計らい彼らも額から腕を下ろした。
「と、いっても私も何かとやることが多くてな。君たちの指揮を直接行うわけにもいかんのだ。私の補佐を君たちにつけよう。直接的な指示は彼女からうけてくれほしい」
 彼女はそういうと、後から付いてきた一人の女性を呼び出し紹介をした。
「ティアナ・ランスター執務官だ。彼女は有能だ、おそらく君たちへの指示も問題なく執り行ってくれるだろう」
 突然顔を合わせた懐かしい顔ぶれにティアナは驚いて目をぱちくりしながら、白河に対し敬礼をし、
「お任せください」
 と言った。白河は、よし、といってティアナに手持ちの書類の束を渡した。
「では、後は任せる」
 去っていく彼女に対して面々はもう一度敬礼を送り、ティアナはなのはの姿を見て破顔した。
「お久しぶりです、なのはさん。なんだか、変なところで会いましたね」
 最後にあったのが何時の頃だったか。機動六課を卒業した時よりも幾分大人びたティアナを見て、なのははかつての部下の成長を嬉しく思った。
「そうね。私もびっくりしたよティアナ。いえ、今はティアナ執務官殿とお呼びした方が良いですか?」
 部下といってもそれは数年前のこと、今では立場を逆転させた彼女に対して同等の言葉遣いは拙いかと思い、なのはは言い直した。
「いいえ、前みたいにティアナって呼んでください。なのはさん。そっちのほうがしっくりきます」
 ティアナがあこがれる魔導師の一人であるなのはに執務官と呼ばれた上に敬語で話されては照れるばかりで仕事に身が入らなくなってしまいそうだと彼女は感じ、なのはに対してあくまで以前どおりに接してほしいと頼んだ。
「ティアナがそれでいいなら私もそうするよ。実は、私もなんだか変な感じがしちゃった」
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪