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りりなの midnight Circus

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 穏やかな談笑をする二人に、朱鷺守は少しだけ居心地の悪そうなため息を付ついた。
「おふた方、積もる話はあるだろうが、それはこれが終わったあとにでもしてくれないかね」
 いい加減放置しておけば、そのうち愛の語らいまでしてしまいそうだと二人を見て思った朱鷺守だったが、二人はそれにあわてて、エヘンと咳払いをして表情を正した。
「失礼しました。改めて自己紹介します。私はティアナ・ランスター執務官です。早速ですが、任務をお伝えします。特務機動中隊の方々は現在閉鎖中となっている区域に潜入し、その情報収集を行ってもらいたいとのことです」
 ティアナはそういうとさらに詳細を彼らに告げた。
 現在、閉鎖されている区域には武装集団による広域制圧が敷かれており、内部での活動は事実上不可能となっている。
 彼らの宣言では、その領域内で魔術を検知した場合、無警告で攻撃を行い人質の命も保障しないとのことだった。
 しかし、公安の調べによるとデバイスを顕現化させずにその領域で活動しても何の反応もないことから、彼らは魔術による情報収集のみを行っているということが判明している。
 つまり、中隊に与えられた任務は一切の魔術を使用することなくその領域内を動き回り、犯人達の潜伏する周囲を捜査しろ、ということだった。
「なるほど、攻撃許可が出されない理由はそれがあったのですね」
 レイリアがそういってうなづいた。
「だけど、あんだけの広さを調べられるものっていったい何なの?」
 先ほどまで泣きべそをかいていたアリシアはもう調子を取り戻したのか、いつもの口調でティアナを問い詰めた。
「それは、まだ明らかになっていませんが。情報部によると、広域型情報収集デバイスか、ロストロギア級違法物が使用されている可能性も否定できないとのことです」
 ロストロギア。それは現在のミッドチルダが抱えている厄介ごとの多くを占めるものだった。
 かつて、この時空世界において並列するいくつのかの文明がその発展しすぎた技術によって滅び去っていった。その際、進みすぎた技術によって構成された遺産が今でも世界には残されている。
 古代遺失物と呼ばれるそれは、時空管理局内でもそれの対策を専門とする部署が大きな力を持っているということからその危険性は明らかだ。
作品名:りりなの midnight Circus 作家名:柳沢紀雪