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とある時空の並行旅人~パラレルトラベラー~

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T1 もう一人の超電磁砲??



総人口230万人の8割が学生の学園都市。ここでは学生全員を対象にした超能力開発実験が行われており、全ての学生は能力の強さによって6段階に分けられている。レベル0と呼ばれる無能力者から、レベル5と呼ばれる超能力者までが、この学園都市内で生活している。ここ数ヶ月の間に幻想御手(レベルアッパー)事件や乱雑解放(ポルターガイスト)事件、ツリーダイアグラムを搭載した衛星の破壊、各事件がごく一部の人間によって処理、解決されてきた。それ以外の人間はそうとはしらず今も変わらず生活している。学園都市は23学区に分かれており、学生達はその中の第7学区で生活している。

「ずいぶん違うんだな・・・」
9月の夕暮れ、橙色の強い日差しを浴びながら屋上の手すりに体を預けている男子生徒。9月も終わりというのにまだじっとりとした暑さが残る。手帳のページをめくりながらメモを追記していく。黒字と赤字、それらが混在し彼以外にはわからないくらいはっきりいってぐちゃぐちゃである。第7学区にある荒八戸高等学校、その屋上で彼は再度ため息をついた。手帳の最初のページをめくりそこに書かれているものを再び目にした。暫く見つめた後手帳をしまい、校舎内へ入った。静けさが充満する下校時間後の校内。対面からくる教師にお小言を言われ足早に校門を出た。どこかのお嬢様中学と違って門限等にうるさくはないのだが、教師は最近口うるさくなってきている。原因は言われていないが、彼には思い当たる節があった。と、いろいろ考え始めたがめんどくさくなって、思考を停止させた。こんな日は気分転換ににぎやかな商店街へ向かった。


「もう、お姉様ったら」
茶色の髪の毛を二つしばったツインテールの少女。同じ制服を来たショートヘアの少女の腕に自身を絡める。
「やめい」
と同時にゴンという鈍い音が響く。
「ひどいですのお姉様」
叩かれた部分をさすりながら視線をお姉様と呼ばれた少女へ向けた。当然よ、とばかりにため息交じりににらみつける。二人の後ろを歩いているセーラー服に紺のスカートの少女二人も苦笑い。
「白井さんは相変わらずですね」
黒髪でロング、白梅の花を模した髪飾りをつけている少女は、隣を見やる。同じ制服でショートヘアに造花の飾りを付けた少女も半ば失笑ぎみに笑っている。
「あ、そうだ。今度の日曜日、Seventh mistで服のバーゲンやるみたいですからいきませんか?」
「佐天さんも広告見たの?」
提案した黒髪ロングの少女、佐天 涙子と茶髪のショートヘアの御坂美琴は鞄から同じ広告をだした。
「へー30%~70%オフなんですね」
花柄のヘアピンをした初春 飾利は広告に目を通す。
「お姉様~。もしやとおもいますが、いつぞやみたいにゲ・コ・太のイベントショーがあるとかじゃないでしょうね」
ギクっとばかりに美琴の体が一瞬強張る。涙子と初春が広告に目を配らせると、裏面のすみっこにその名前が。ははーんとばかりににやけた目を美琴へ向ける。
「そそそそんなことないわよ。普通に買い物よ」
「お姉様、強がらなくてもいいんですのよ」
黒子はこれでもかというくらいの追撃。みなれた黒子と美琴のやりとりに涙子と初春は笑ってみている。
そんな中ふいに黒子は何かを感じ取る。周囲で誰かが能力を発動したようなそんな力場を。ふいに悲鳴が上がる。近くの交差点に人だかりと砂煙が上がっている。初春、と呼ぶと同時に緑色の腕章を取り出し右腕にピンでとめる。「お姉様と佐天さんは下がってくださいな」
そういって黒子は自身の能力「空間移動(テレポート)」で飛んでいく。

騒ぎの中心を囲むようにいた人だかりは、豪快な音と衝撃ともに悲鳴を上げ逃げ出す人もいた。中心には二人の男。一人は黒革のジャケットを着たすこしゴツい印象の短髪な男、もう一人は制服のズボンに半そでのワイシャツの見るからに学生の男子。
「てめえ・・・どこのもんだ」
ゴツい男は近くの歩道に止められた自転車に視線を配る。自転車が数台宙へ浮き上がり男の頭上へ移動した。
「それが能力か」
「そうだ」
その言葉と同時に自転車を学生へ投げる。人が投げるのと違い思った以上の速さで自転車が飛んでくる。
「うわ、ちょ・・あぶな」
ぎりぎりの感覚で避け続ける。
「油断するなよ」
一瞬勘が働いたのか後ろを振り向くと、地面に転がっていたはずの自転車がこちらへ向かってきていた。1台目を間一髪でよけるもその死角から飛んでくる自転車。腕を交差させ防御するも激痛は逃れられない。
「いてててて」
自分の上に重なった自転車を足でどける。
「はっは、どうした。お前はジャマだからここで消させてもらう」
「ちょっとまて、ここじゃ風紀委員(ジャッジメント)が来ちまうし」
「うるさい」
男は、この騒ぎで乗り捨てられている黒いバンタイプの車を持ち上げる。割と簡単に持ち上げることができたのは、彼の能力者の力がわりと強い事を意味している。
「ったく・・しょうがねー。もったいねーけどこっちも使うぜ能力を」
学生はポケットから1枚コインを取り出す。
「うるせーガキだ。お前に何ができる!」
学生は親指でコインを上にはじく。クルクルと回転しながらメダルはやがて降下を始める。
「おりゃー」
男はまるでブーメランを投げるかのように水平に車を学生へ向けて飛ばした。先ほどの自転車とは違い回転しながら学生の方へ飛んでいく。男は車の陰で見えてはいないが、学生は体からバチバチという音と共に体から電磁力が帯電していく。そう常盤台の彼女と同じように。最大に貯めた電磁をもって落ちてきたメダルを親指ではじき出す。電磁加速を得たコインは音速を超え飛んできた車を貫通、またその衝撃で車は学生とは別の方へはじかれ、ガードレールをへこませ動きをとめた。コインはそのまま男の額を強打、男は数メートル後方へ吹っ飛んだ。男は白目をむいて、完全に沈黙。道路には一直線にこげた黒い線が残り砂煙を上げた。

「風紀委員(ジャッジメント)ですの。ここで・・あら?」
黒子がテレポートしてきた時には、事の残骸と白目を剥いて倒れている男・・そして
「これは・・・お姉様と同じ・・・」
道路に残った一筋の線。これはまぎれもない学園都市230万人の頂点のレベル5の能力者第3位、御坂美琴の超電磁砲(レールガン)と同じものだと黒子は思った。
「黒子ー」
現場へきた美琴、初春、涙子は道路の線をみて同じことを考えていた。
「黒子・・・これって」
視線を黒子へ向ける。黒子はゆっくりと線のところへと近づき片膝をついた。
「これってどうみても」
初春の言葉を肯定するように黒子は頷いた。
「そうですわ。これはお姉様と同じ・・・超電磁砲(レールガン)ですわ」