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Until the future

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足を向けた先には、大事な仲間の顔がいくつも待っていた。
3人揃ってこちらに振り向いて、浮かぶ笑みはどれもいつでも自分を支えているものだ。

「遅かったじゃん、って、ジョー、どうしたんだその髪」

「似合うでしょ?」

「おお、そりゃかわいいけど。何か新鮮だな」

「ありがと」

エッジの軽い会話にミラーがぼそりと呟いた。

「……エッジはかわいい言い過ぎだろ」

「何だよお前、妬いてんの?ミラーも言えばいいじゃん、ほら」

とんと背中をジョーに向けて押されて、向き直された先では、ジョーが楽しげに微笑んでいる。

「い、言えるか!」

「あら、何よミラー、わたしがかわいくないっていうの?」

「そ、じゃなくて!」

「おい、お前ら……」

最終的にはハマーが額を抑えて溜め息をついた。

こんな会話はいつものことだ。
ひとたび訓練が始まれば、限りなく張りつめた緊張と真摯な瞳のぶつかり合いになる仲間達との、こんな他愛もない時間が愛おしくて仕方がない。

「リーダー!」

なんとかしてくれよと懇願の表情のミラー、溜息を吐いたハマー、完全におもしろがっているエッジに、明朗な笑顔を崩さないジョー。
どれも違う表情で、けれど誰にも共通するのは自分への信頼の強さと、支え支えられてきたという連帯感。
同じチームであるという、この上もなく得難い宝のような時間。
ミラーを宥めてエッジを窘めて、五人揃って歩き出す。
これから先のブレットの道にも、きっと彼らは同じようにいるのだろう、今と変わらず。
繰り返し訪れる季節に、変わらない姿があるのだろう。

「そういやリーダー、バースデー近いよね。何がほしいのさ?」

「そうだな、」

お前たちとの時間だ、なんて言ったらエッジ辺りに茶化されるに違いない。
だからそれは胸に秘めて、笑顔だけを乗せた。

「エッジの不真面目が直れば一番いい」

「それはないぜ、リーダー……」

「へへん、言われてやんの」

「うるせ、ミラー」

「もう、二人とも。いちいちケンカしてるんじゃないわよ」

そうして弾ける笑い声。
その中にある時間、それが何よりのプレゼントなのだと、ブレットは笑顔を乗せた。




 * Happy Birthday!! * 




2010.6.2

作品名:Until the future 作家名:ことかた