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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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【完全読み切り】道

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 黒い服に黄色のアクセント、そして、少し変わった剣をもった、そんな少年の上にアチャモ、キモリ、ミズゴロウの三匹が載っている。私は彼の後をただ追って歩く。
 「ユウキくん」
 私は彼に声をかける。
 「なに?」
 「いや…やっぱりまずかったかなあ?」 
 「大丈夫じゃない?僕の両親も君の両親もオッケーサイン出したわけだし」
 「で、でも私は別に一匹も持ってないから足手まといかなあ…って」
 「ハルカちゃん」
 いきなり彼は真顔になる。
 「まるで僕が頼りないみたいでしょ。まあ事実だけど」
 「あ、いやそういう意味じゃなくて…」
 「じゃあその言葉はなしだよ」
 「でも…」
 「でもって言わない」

 「キミのことを頼りにしているんだから」

 ここまで言われるとだんまりするしかない。彼はどうしてこうも優しいのだろう。

 私の着ているベージュの服は、私が小さいころから、あたかも何らかのトラウマがあったかのような(別に何のこともないが)、そういったセンスで決まったようなものである。はっきりいって、にあっている気がしない。でも、彼は私の服装を見て、「可愛いね」って言ってくれる。嬉しくもあり、また、恥ずかしくもありっていうか。

 彼はジムリーダーの息子である。彼はもう8つのジムバッジを手に入れているが、特に、彼が父親と戦ったときは、私も見ていたので覚えている。彼は、父親と8番目のバッジをかけて戦った。

 あのとき、オオスバメやキルリアを繰り出して序盤は優勢だったものの、後半はほとんど苦戦といった具合であった。そして、バシャーモやジュプトルまで倒され、しかし彼も相手の切り札を出すにいたった。ラグラージとケッキングが対峙する。彼のラグラージは岩雪崩や雪雪崩を起こして相手の動きを封じようとするが、一撃ですべてが吹っ飛ぶ。スキルスワップでマイペースになったケッキングにはほとんど太刀打ちできないかのように見えた。

 だが、違った。

 彼は、一か八か、ラグラージに地震を起こさせた。

 その揺れは、死に物狂いの様を感じさせた。

 彼自身が危険になる、そんな戦い方をして、辛くもバッジを勝ち取ったのである。

 そして、そのあとはとんとん拍子にリーグを制してしまった。そのあとに向かってきたあらゆるトレーナーもみんな倒してしまった。