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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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【完全読み切り】道

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 でも、彼は少しさみしいようだった。
 彼だって世界一のトレーナーを目指している。そうしたら、彼は、ホウエンにおさまっている場合じゃなかった。

 そうした時、彼は、世界中の猛者が集まるカントー地方に旅立つことを思い立った。
 あそこには、伝説の三人のトレーナー、レッド・グリーン・イエローがいるのだ。

 でも、そんな彼が準備をしながら、ふと私の家に来た時、私に、彼は頼みをしてきた。

 「ハルカちゃん、一緒にいてくれないかな」

 今、私たち二人はトキワシティにいる。七人のジムリーダーを下し、最後の関門に来ている。

 伝説のトレーナー、グリーンさんとの戦いが、始まる。
 これが終わっても、まだ二人のこっているけれど。

 彼ら全員を倒すと、そこで戦いは止まっちゃうのかな。もしそうだったら、また彼のあの姿を見ることになる。
 彼にはずっと元気でいてほしい。だから、彼に最強になってほしいとは思えない。
 でも、それは彼の夢に反することだ。そんなことを、彼のガールフレンドの私が願っていいはずがないよね…。

 でも、彼には見透かされちゃったようである。
 彼にその話をすると、彼は言った。

 「僕が最強になったって、強いトレーナーがまた出てくる。名前を守るためにまた戦うことになる。…もう、落ち込んでいる暇なんてないんだ」
 そして、一言。

 「何でキミの気持ちを隠すの?」

 「え…」
 「僕はずっと言いたかった。キミはいつも何でも隠すよね。そして、吐き出せないからどんどん体にたまっていく。そうして自分で自分を傷つけている。そんな姿を僕は見ていたくないよ。ずっと、明るいキミを見ていたいんだ」

 「…」

 彼は急に手を伸ばした。
 私の体が包み込まれる。

 私は、こんな人に想ってもらえるなんて、こんなに素晴らしいことはないでしょう。

 不意に、涙がこみ上げてくる。

 「ユウキくん…でも、今は泣きたいよ…だから、このまま泣かせてくれる?」

 すると彼は、私を優しく、しかし強く抱きしめた。