日ベラ小ネタ詰め合わせ
そのままで
「ぐ、ぐぬぬぬ」
ナターリヤは胸の前で両手を合わせていた。
(な、ナマステ・・・?)
タイかどこかの儀式のようなポーズを見て、本田は首をかしげる。
「ナターリヤさん、何してるんですか?」
「・・・な、なんでもない!お前には関係ない!!」
聞いてみるとぷいっと顔をそらされた。
関係ないと言われて少し肩を落とす。
何をしているかくらい教えてくれたっていいのに。
「す、すみません・・・。」
しょんぼりする本田を見て、ナターリヤは戸惑ってまた口を開いた。
「・・・・む、胸が、大きくなる、運動・・・だ・・・。」
ぼそぼそと恥ずかしそうに話すナターリヤを見て、羞恥心からあんな態度をとったのだと本田は理解した。
「で、でも・・・ナターリヤさんは、その、そんなに、ち、小さくないですよ・・・」
無意識にナターリヤの胸をガン見してしまったことに気付き、本田は赤くなりながら目を背けた。
しどろもどろになりながらも、一応フォローしておく。
実際ナターリヤの胸は小さくない、というかどちらかといえば大きいほうだ。
「兄さんは、姉さんくらい大きくないと振り向いてくれない、・・・気がする。」
姉の姿を思いながら目を閉じた。
「ナターリヤちゃあああん!」と、頭の中の姉が涙を浮かべている。
「・・・あなたのお姉さんが特別なんですよ。」
やれやれと息をつく。ナターリヤの姉には世界会議の時に会ったことがある。
歩くたびに胸の揺れる音がするのは世界広しといえどきっと彼女だけだろう。
「男は大きいほうが好きなんだろう?」
唐突に聞かれて、本田はかなり動揺する。
「えっ!!!!え、ええと・・・いや、そういう人もいますけど・・・」
声をうわずらせながら答えた。
ナターリヤはいきなり予測できないことを聞いてくる。
「お前はどうなんだ?」
「・・・・・ど、どちらかというと、美乳派・・・・です・・・って!!何言わせるんですか!!!」
ナターリヤの質問に答えて変なことを言ってしまった本田はうああああと顔を両手で覆った。耳まで赤くなるくらい顔が火照っている。
「・・・・び、びにゅう・・・。」
自分の胸を見てつぶやくナターリヤ。
「あああもう!!とにかく、ナターリヤさんはそのままでいいんです!」
「そ、そのまま・・・って・・・」
ナターリヤは、本田の顔と自分の胸を交互に見た。
「今のままで十分ですから、そんなことしなくていいんですよ!!」
「・・・・む、むう」
なんだか無性に腹が立って本田の腕を叩く。
「いたっ!な、なんではたくんですか!?」
いきなり叩かれて本田は驚いてナターリヤを見た。
ナターリヤは口をむにゃむにゃしている。
「うるさい!本田のばーか!!」
よくわからないけどなんかむかついたんだ、と後日ナターリヤは語ったのだった。
作品名:日ベラ小ネタ詰め合わせ 作家名:ずーか