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キャンディキャンディ

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 無念そうにつぶやいたかと思うと、オランダは何を思ったか不意に自分の口元へと手を伸ばした。
 引き出されたのは、やはりチュッパチャップスだ。
 どうやらくわえていたのは煙草ではなく飴だったらしい。
 こんなイケメンも飴をなめるのか。
 日本が妙な感心をしているうちに、オランダはごく無造作なしぐさで、それを口の中に突っ込ませてきた。
 自分が今までなめていた飴を、である。

「むぐっ!?………え、ありひゃと、ごひゃい、ます………」

 日本は大いに混乱しながらも、思わずうっかりいつもの習慣で礼を口にしていた。
 舌にさわやかな甘みが広がって溶ける。
 甘いものが好きなせいか、反射的にもごもごとなめていたら、オランダがごく満足そうな顔をした。
 わずかに下がったまなじりと、ゆるんだ口元がまるで笑んでいるようだ。
 思わず日本が見とれている間に、オランダはさっさと腕を伸ばして、スペインの首根っこを押さえていた。

「ほれ行くぞ」

 そのまま容赦なく引っ張って、日本からべりべりとスペインを引きはがす。

「なっ、やめっ、俺まだ菊にめっちゃ好きやねん!って言うてへんのにーーーっ!!!」

 スペインが慌てて叫ぶが、オランダは意に介さない。
 ずりずりとスペインを引きずりつつ、さらりと言い放った。

「じゃかましい、永遠に黙っとれ」
「日本ーーーーーーっ!!!!」

 オランダの無情な言葉に泣き叫ぶスペインを生あたたかく見守りつつ。
 日本は口中の甘みが消え去るまで、しばらくそこで飴をなめていた。


<終わり>
作品名:キャンディキャンディ 作家名:さり