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【日音】君と呟く【腐向け】

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生前の事をぼんやりと思い出していた。一度思い出すと芋づる式に思い出すものだ。



俺は生前、友達に紹介されてツイッターをやっていた。
中々要領がつかめなくて苦労したけどだんだんと慣れてきて記念すべき100ツイート目になる日俺はそいつと出会った。


ネットの世界は、恐いことも多いと聞くので俺は本名ではやっていない。きっと俺をフォローしてくれている殆どもそんな人々ばかりだろう。俺のつぶやきの殆どは受験のこととか、なんの参考書が良かったとか、そんな真面目なものばっかりで医学部志望の奴らとの情報交換が常だった。そう、「だった」のだ。100ツイート目でその人物が俺をフォローし始めるまでは。

その人物は、俺と同い年のようだった。名前はひなっちと言って正直頭空っぽそうな名前だと思った。ちなみに俺の名前は弦だ。ていうか名前から最初ギャルかと思って、リフォローするか悩んだけど一応ひなっちのページに飛んでみた。そしたら、高校球児だった。名前のまんま適当なことを呟いてるけど、何だか面白そうな奴だったのでリフォローしてみた。ていうか、疑問だったけど何でこいつ俺のことフォローしたんだろう?フォロー数は俺とドッコイで自分からフォローしに行くタイプには見えなかった。それは今でも謎のままだ。
俺が「授業疲れたー眠い…」とか書くと決まってひなっちは「がんばれー、俺は自習中なう」っていうような返事を返してくれた。「今日はコンビニ弁当」とか、生活のことまで書くなんてことは今までしてなかったのにひなっちと知り合ってからは結構どうでもいいことも呟くようになっていた。
ひなっちのツイートは相変わらずのままだった、適当な奴だけど、ツイートは優しい印象を受けた。

段々仲も良くなってきて。3年の春になった。
俺は受験勉強に没頭して、あまりツイッターを見なくなった。時たま勉強の気分転換に見る程度になっていった。ひなっちも最後の甲子園に向けて部活が忙しいようで、昼の授業中とかに呟くぐらいで俺とは全くツイッターを見る時間帯が重ならなくなっていった。たまに気になってわざわざひなっちのページにとんだりもした。毎日少しだけど呟いてるのを見て安心している俺がいた。

5月になった。5月病と言うものが世間を襲っていて俺にもその驚異は降りかかってきた。予備校はお金が無いから行ってない。学校が終わるといつもは残って勉強して帰るけど、中々気分が乗らなくて重い勉強道具を持ってきたのにも関わらず直帰してしまう。授業中も身が入らずに携帯を弄ってしまうと言う日々が続いた。
そんな時、ツイッターを開くとタイムラインにはひなっちがつぶやいていた。

「今日もやる気がでない…」
俺がそう呟くとすぐに
「久しぶりだな!元気…じゃないみたいだな(笑)」
と返してきた。
「5月病なう」
「5月病ってどんな病気だ?病院はいったのか?大丈夫か?」
「ばーか。そういう病気じゃないよ(笑)辞書引いてみろ」
「俺の辞書に辞書という単語はないぜ」
「辞書なのにか?」
「あー、なるほどね。」
「結局引いたんだ」
「弦は、受験勉強しすぎなんだよ。たまには息抜きしていいんだぜ?」
「ありがとう」

こんな会話を繰り広げた。なんかひなっちとしゃべると元気になれる。そういうとこ凄い奴だなと思う。それから、嘘みたいにやる気が戻ってきて俺はまた前の生活に戻っていった。だから、ひなっちが悩んでるのに気づけなかった。