【完全読み切り】淨
鐘の塔が焼けた時、三匹の名もなきポケモンが命を落とした。
その時、伝説の虹色の鳥が、その三匹をよみがえらせた。
一匹は、落ちた雷になぞらえて、
一匹は、燃える炎になぞらえて、
そして、一匹はその炎を消すために降った雨になぞらえた。
#
「マツバ、お前、何してるんだ?」
「ああ、ミナキか」
マツバと呼ばれた少年は、ふと読んでいた本から目をあげる。
「実はね、エンジュに残る伝え話を調べてたんだ」
「ふーん、変わってるな」
「アハハ…」
「で、その絵は何だ?」
「ああ、これは…伝説のエンジュの鳥、ホウオウだよ」
「ホウオウ…?」
「言い伝えによると、このホウオウが、鐘の塔が焼け落ちた時に死んだ3匹のポケモンをよみがえらせたといわれているんだ」
「ホントかねぇ…なんか信憑性に欠けるな」
「ふふ…でも、いるかいないかわかんなくったって、憧れるよな…そんな鳥がいて、今も優雅に空を飛んでいるって考えると…虹色の翼…かあ…」
「けっ、現実見ろよ。お前の眼には、他の連中にまで見えないほどの現実が映るだろうが」
ミナキはきっと自分の千里眼のことを言っているのだろう、と思った。
「まあ、それでよく探しものなんか頼まれるけどさ…それはともかく、ミナキも、これを見たら、そんなこと言えなくなるだろうよ」
「なになに…蘇らされた伝説の3体のうちの一つ…スイクン?」
「そして、見たという人が書き残した絵がこれだ」
その絵を見なければ、あるいは彼は普通の平凡な人間として生きていたかもしれない。
#
「水ポケモン・スイクン。その持つ力で、どんなによどんだ水も清らかにするという…なんてすばらしいんだ!」
彼は、連日鐘の塔に訪れた。
ある日、彼はあるポケモンを目にする。
「あいつだ…」
その風格、りりしい顔立ち…。
まさしく、伝説のポケモン、スイクンだった。
しかし、相手は、ミナキの姿を見ると、どこかへ去ってしまった。
「もう一度…あの姿を見たい…」
彼は、いろいろなデータを調べた。調査によると、最近になって、汚れていたジョウトの水が次々にきれいになっているという。
「待てよ…」
#
「もしかすると、スイクンは警鐘を鳴らしているのではないか」
汚い水がどんなにきれいになろうとも、数日経てば、また元に戻る。
その時、伝説の虹色の鳥が、その三匹をよみがえらせた。
一匹は、落ちた雷になぞらえて、
一匹は、燃える炎になぞらえて、
そして、一匹はその炎を消すために降った雨になぞらえた。
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「マツバ、お前、何してるんだ?」
「ああ、ミナキか」
マツバと呼ばれた少年は、ふと読んでいた本から目をあげる。
「実はね、エンジュに残る伝え話を調べてたんだ」
「ふーん、変わってるな」
「アハハ…」
「で、その絵は何だ?」
「ああ、これは…伝説のエンジュの鳥、ホウオウだよ」
「ホウオウ…?」
「言い伝えによると、このホウオウが、鐘の塔が焼け落ちた時に死んだ3匹のポケモンをよみがえらせたといわれているんだ」
「ホントかねぇ…なんか信憑性に欠けるな」
「ふふ…でも、いるかいないかわかんなくったって、憧れるよな…そんな鳥がいて、今も優雅に空を飛んでいるって考えると…虹色の翼…かあ…」
「けっ、現実見ろよ。お前の眼には、他の連中にまで見えないほどの現実が映るだろうが」
ミナキはきっと自分の千里眼のことを言っているのだろう、と思った。
「まあ、それでよく探しものなんか頼まれるけどさ…それはともかく、ミナキも、これを見たら、そんなこと言えなくなるだろうよ」
「なになに…蘇らされた伝説の3体のうちの一つ…スイクン?」
「そして、見たという人が書き残した絵がこれだ」
その絵を見なければ、あるいは彼は普通の平凡な人間として生きていたかもしれない。
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「水ポケモン・スイクン。その持つ力で、どんなによどんだ水も清らかにするという…なんてすばらしいんだ!」
彼は、連日鐘の塔に訪れた。
ある日、彼はあるポケモンを目にする。
「あいつだ…」
その風格、りりしい顔立ち…。
まさしく、伝説のポケモン、スイクンだった。
しかし、相手は、ミナキの姿を見ると、どこかへ去ってしまった。
「もう一度…あの姿を見たい…」
彼は、いろいろなデータを調べた。調査によると、最近になって、汚れていたジョウトの水が次々にきれいになっているという。
「待てよ…」
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「もしかすると、スイクンは警鐘を鳴らしているのではないか」
汚い水がどんなにきれいになろうとも、数日経てば、また元に戻る。