【完全読み切り】藍
そこにいたのは、彼の昔の友だった。
「マツブサ!!」
「久しぶりだな、アオギリ」
「どうしてここに…」
「ふっ、俺もとんでもない過ちをしちまったからな…だから来たんだよ。お前にも、俺にも、この事態を解決する義務があんだろうが」
「で、ユウキはなぜ一緒にいるんだ?」
「空の柱っていうところに向かうというのなら、僕も行きたい、というか、僕には二人の気持ちを汲み取れなかった、っていう咎がありますから」
「俺は止めたんだけどな」
…彼は、本当に幸せだった。人間は、…こんなことしなくても気づくやつがいたじゃないか。
地道な活動を続けていけばよかったのだ。そうすればいづれは大きな輪になっていたことだろう。
何で早く気付けなかったのだろう。
「行こう。その、空の柱とやらに」