Necrophobia
寒い寒いと言いながら、静雄の祖母は亡くなった。
両親、親戚がわっと泣き出し、幽と静雄は無言で病室から出た。
歳も歳だったし、ここ数ヶ月は入院しており、皆心の準備はできていた。
小さな兄弟も祖母の『死』を分からないままも、受け止めていた。
『死』とは、悲しいもの。
『死』とは辛いもの。
そして、死とは『恐い』もの。
リノリウムの床に置かれた長椅子に並んで腰掛け、静雄は幽の手を握った。
幽はじっと黙って床を見つめていたが、静雄の手を優しく握り返した。
「…大丈夫だよ」
怯えているのは静雄の方だった。
両親、親戚がわっと泣き出し、幽と静雄は無言で病室から出た。
歳も歳だったし、ここ数ヶ月は入院しており、皆心の準備はできていた。
小さな兄弟も祖母の『死』を分からないままも、受け止めていた。
『死』とは、悲しいもの。
『死』とは辛いもの。
そして、死とは『恐い』もの。
リノリウムの床に置かれた長椅子に並んで腰掛け、静雄は幽の手を握った。
幽はじっと黙って床を見つめていたが、静雄の手を優しく握り返した。
「…大丈夫だよ」
怯えているのは静雄の方だった。
作品名:Necrophobia 作家名:あへんちゃん公爵