思考するしかばね
場合によっては、やたらと使うことを止められていた催眠術を使う準備も覚悟もあった。
それで音無さんが変わってしまおうと構わないとすら思っていた。
貴方が僕から離れてしまうよりは。
だけど、だけど。
音無さんに抱きしめられて幸せそうに笑って、その腕の中で逝った立華奏を見て、僕は。
(うらやましいと、思った・・・!)
「ど・・して・・・っ」
こんなに好きなのに。
苦しげな息とともに吐き出されたあざとい僕の言葉など。
もう、彼には届かないだろうか。
「かみさま・・・」
+++
かみさまなんていない。知ったから僕はかみさまになりたかったのに。
いるのならいるのなら、あの人を救ってよ、かみさま。今僕はそう思っている。