月が
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「ねえ静雄、こんな言葉を知ってるかい?」
「知らねえ」
「うん、まだ何も言ってないからね?落ち着いて聞こうか、っていうかまず人の話に耳を傾けようか」
「五月蠅ぇよ」
「で、話を戻すよ。I LOVE YOU をね、かの有名な文豪、夏目漱石はこう訳したんだよ、月が綺麗ですね、って。」
「月が綺麗ですね?…愛してる、じゃねえのか。」
「まあまあ、そこは置いといて。静雄くんに質問、夏目漱石はI lOVE YOUを何と訳したでしょうか?」
はあ?と咋にうざったそうな顔をする静雄。
まあまあそんな顔しないで。
「月が綺麗ですね…ってお前がさっき言ってんじゃねえかよ意味わかんねえ」
「いや、君がちゃんと俺の話を聞いていたかどうかの確認をね。」
うぜえな相変わらず、と言って席を立ち、帰るわと言って彼は部屋を出て行った。
「さて、上手いことやってくれるかな」
『楽しそうだな、新羅』
愛しのセルティが影を駆使してPDAにそう打ち込む。
「ああ、最高に楽しいね!!解ってくれるのかいセルティ…!!あいしてるようごふっ」
『軽々しくそういう事言うなよ…ばか』