リオ・ナユ
「って何ですかここはーっ!?」
あの後ついて行ったら、そこは不思議な洞窟のような所で、暗く、しかも魔物の巣窟だった。
ワカメのようなぎゃーぎゃー煩いカスから、蛙とゴブリンを混ぜ合わせたような力ばかまで、色々、本当に色々2人を襲ってきた。
「ふふ・・・。貴様が勝手についてきたんだから文句言うな。・・・そういえば貴様、金運の紋章宿したままなんだ?」
「え?あ、ああ。そうですけど・・・。」
確かに多めにポッチを回収している。
「ってゆーか、それはどうでもいいんですよ!!あんた、何しに来たんですか!?」
「だから、発散?」
そう言いながら襲ってきた怪しげな光を放っているもさもさらしき魔物を一撃で倒す。
その時のリオの顔を見て理解した。
ああ、そうだ。
今この人楽しんでいる。
とても活き活きと、襲ってくる敵を倒している。
船では訓練所で体を動かしているとはいえ、あくまで訓練。
しかも過去の人々である。
ボコボコに、ましてや殺すほど思いっきり動くことは出来ない。
しかも、多少無愛想と思われているらしいが、自分達からすれば考えられない程の人当たりの良さ。
理解したくはないが、この人なら確かにストレスも溜まるだろう。
「ああ・・・、ストレス発散・・・。」
リオはちらっとナユを見てニヤッと笑うとまた魔物に向かって行った。
・・・忘れるところだった。
さすが殺戮魔。
しかしナユは嫌悪するどころか懐かしい気分にさえなった。
「たいがい毒されてますよね、僕。」
「何?」
「いえ、何でもありません。」
そう言いながらナユも一緒になって次々に殺っていく。
これってある意味大量虐殺だよなと思いながら・・・。