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リオ・ナユ

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起き上がったナユが、部屋を出てしばらく行くとナナミが見つかった。
良かった、良かった、とギュウっと抱きつかれる。

「ナナミ・・・ずっと看病してくれてたんだって?ありがとう。あと、ここまで運んでくれたのもナナミなんだって?ほんとにごめんね、大変だっただろ?ほんとにありがとう。」
「え、ううん、そんなの。それに、ここまで運んでくれたのはリオさんだよ。あたしはティント内ではあんたをおんぶしてたけど、途中から代わってくれたの。」
「え!?あの人が・・・?・・・そういえば・・・あのネクロードはいったい・・・?」
「あんたがね、緑色の光出した後、倒れちゃって、もうだめかと思った時に、リオさんが助けにきてくれたの。ここはいいから逃げろって。」
「え・・・」
「でね、悪いと思いつつも、あたしにはどうしようもないから、あんただけでも守りたくて、おんぶして逃げたの。で、途中でゾンビにまた襲われそうになったところでまた追いついたリオさんに助けられて、そんでここまで逃げてこれたのよ。」
「そ・・・うだったん、だ・・・」
「ちゃんと、お礼、言ったー?」
「え、ああ、うん・・・いや、ちゃんと言ってない。ちょっと言ってくる。後で様子見てまわりたいから、下で待ち合わせよう?」
「ん、分かった。もう、大丈夫?」
「うん、大丈夫。ほんとに、ありがとね、ナナミ。」
「だから、お姉ちゃんていいなさいよね。じゃあ、あとでね。」

ニッコリとしたナナミに手を振ってから、もう一度出てきた部屋に戻った。
中に入るとリオがぼんやりとベッド横の机に頬杖してまだ座っていた。

「?なんだ、戻ってきたの?」

ナユに気づいたリオの質問には何も答えず、傍まで近づくと、ナユは黙ったままリオの肩を持ち、いきなりキスをした。

「!?」
「さっ、さっきちゃんとお礼、出来てなかったからっ。ほんとに、あ、ありがとう。」

それはそれは真っ赤な顔をしつつ、ナユが目をそらしながら言った。

「い、いや・・・」

リオもふいに顔をそらせていたが、次の瞬間にはまたナユを見てニッコリした。

「初めてじゃない?貴様から素面でキスしてきたのは?」
「し、素面とか言うな。とっとりあえず嬉しかったから・・・。じゃ、じゃあそれだけですから。僕はちょっと様子を見に行ってきます。」

まだ真っ赤な顔をしたままのナユはそう言って、踵を返して部屋を出ようとした。

「あ、待ちなよ?外に出るなら僕も行く。」

リオが立ちあがって、ナユについてきた。はあ、と言いながらも、ついてくるなんて珍しい事もあるもんだとひそかにナユは思っていた。

ビクトールも無事だったようで、ナユが気づいた事を喜んだ後、一緒についてきた。
歩きながら聞いた話では、どうやらグスタフの娘のリリィが行方不明になっているらしい。
1階のリビングにはクラウスやリドリー、レオナがいて、彼らもナユの無事を喜んでくれた。
ナナミとも合流して外に出てみると、このクロムの村はまだ全然平和そうである。
少し村の外も見てみようとしたら、一人の男が近づいてきた。

「久しぶりです、ビクトール殿。ナユ殿もお久しぶり。」

声をかけてきたこの男は、以前ネクロードが占拠していた今の本拠地、ノースウィンドウで出会ったヴァンパイアハンターの、カーンであった。
作品名:リオ・ナユ 作家名:かなみ