二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

月がみてる

INDEX|3ページ/3ページ|

前のページ
 

縮尺の基準が宇宙にいるときと同じかよ。


車から民間の小型機に乗り換え又車に乗り換え山の中の小さなロッジにたどり着いた。
移動距離は100キロ越すな。

「3日で帰るのわかってるんだろうね。」
「わかっている。人のいない所にいたかったんだ。」
「だからって何でこんな寒いところにわざわざ来るかな」

「きみと二人で邪魔されたくなかった。」
後ろから抱きしめてきて
「寒いと抱きしめても怒られないし。」腕に触れて
「人前でやらなければ怒らないんだけど。」

人前で触れようとするからド突いてしまうんだよなあ。ついでにくさいセリフも止めて欲しい。寒いから暖めてあげようとか言うなよ…。
ここで逃げられたらお手上げなので譲歩すべきなんだろうけど。

「寒いから中に入ろう。火を焚いたり食事作ったりしなきゃいけないんだろ?
ついでに言いたいことがあればはっきりどうぞ。誰も聞いて無いんだから。」

「誰が聞いていてもかまない。君が聞いてくれれば。」
「俺は人がいると嫌なの。で言いたいことは?」

ぎゅっと抱きしめて
「側に居るならやさしくしてくれ。」
瞬間金縛り。

う〜ん。これは…。まいったな…。溜息。


「溜息つく場面なのか?」
「ちょっと屈んでくれる?」
「君の前なら膝をつこう。」
いや…つかなくて良いから…。

「アムロ。どうしてそんな顔しているんだ?」
「どんな顔。」
「なきそうな顔だ。」

頬に手を触れて覗き込む。
「きみにそんな顔をさせるなんてわたしは何をしたんだ?」
「何も…。」

そっと離れて頭を抱きしめてから額の傷にキスをして
「少なくとも好きな分だけやさしくするよ。約束する。」
嬉しそうに
「ありがとう。」


「それで休暇中どんな所に居たんですか?」
「え〜確か周りが杉だらけ?檜だっけ?良くみてなかったからなあ。とにかく山の中。」


眉を顰めてしまった。聞かなきゃ良かったと思ったがもう遅い。
「では地上にいて何処にも行かなかったんですか。」
「空港ですぐ捕まったから。窓から見えたのは木と月ぐらいだよ。綺麗だったけど。」


どこが飽きたんでしょう…。
「…もう仕事してもらえれば何でも良いです。」


「機嫌の良いうちに何でもスケジュールに組み込んどいてください。」

鬼だわ。

「そうします…。たまにはやさしくしてあげてくださいよ。またいじけると面倒です。」

「大丈夫。」
にっこり。

触らぬ神に祟り無し。
この話題は二度と出さないことにしましょう…。
やつぱり怖い。


2005/10/8
作品名:月がみてる 作家名:ぼの