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月がみてる 1・5

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軽くキスしてやつの服のボタンをはずしてゆく。こっちがほぼ裸なのに相手が着たままなのは好きじゃない。
勝手に突っ走られるのも…。

なだめるように肩から背中に触れてゆき服を肩から落としてゆく…きれいなライン。
色っぽいっていうなら自分の方が余程色気があるだろう。
でも服着てるときのほうが色っぽいか?

首から胸に口付けながら袖から腕を抜いていた動きが止まり顔を近づける。

「何を考えている?」
ありゃ本当に気がそれるとすぐわかるのか。隠すほどのことじゃないし…。

「色っぽいって言うならあなたの方が色気があるなとか。
服着てるときのほうが色っぽいかとかまあそんなことだよ。」

「お望みなら軍服着てしてもいいが…。」
肌荒れそう…。それに後でそんな洗濯物出すのも嫌だ。

「普通が良いです…。」
マニアな事はやめてほしいな…。

気がつくと俺をじっと見るやつの目が剣呑になってる。目を合わせたまま胸を軽くかじる。
「…ん…」甘い痺れが広がって自然声が出る。
その反応に気を良くしたか胸を集中して責めながら後ろを解してゆく。
頭の隅でしつこく時間かけるつもりだなと思うが体は素直に反応して熱を溜めてゆく。


じれったさから逃れようと自分から動こうとすると手を押さえられて肩にまわされる。
ぼんやり目を開けてみると軽く口付けながら「アムロ…」名前をよびながらゆっくり入ってくる。

久しぶりでも体が覚えてて多少の違和感があっても素直に受け入れる。
馴染むのを待つように動かずにいるやつを見ると嬉しそうにじっと見ている。
そんなにしがみつかれたいのかねえ…。

お望み通り両手を回すと待構えるように動き出す…
「―…」全身を雷のような刺激が貫き思い切りすがりつきあえぎ声をこらえられずどんどん流されてゆく…。

おぼろげな意識の中ずっと名を呼ばれてる抱きつく腕に力をこめるぐらいしかできない。
意識が途切れるまで攻め立てられ窓にかかる月の光が目を射る…。
なにか…掴む間も無く消えていった。


空気が揺らぐ。寒い…。暖炉の火が消えそう薪を足さないと。
気がつくと後ろから抱きしめられて毛布に包まっている。熟睡しているようだ。
目を覚ましても構うものかと無造作に起きて暖炉の薪を足す。背中とか膝とか痛い。
だからベッド以外でやるのは嫌なんだ。

後始末された記憶もないな…。その辺に散らかってる服を身につけ水を飲む。
何か食べよう。準備してれば目を覚ますだろう寝かせておいたほうが良い。
どのくらいまともに寝てないのやら。その割りに元気だ…起きたらおきたで煩そう。

じっくり煮込んでつまみ食いしながら準備してると音を立てて起きだした。
「アムロ!」
「何?」

そんな血相変えて起きなくても逃げやしないって。

「何か着れば?」
そのまま近づいて抱きしめる。
「りんご食べる?」

むりやり口に押し込むと大人しく食べてる。
「目覚めた?風邪ひかないうちに服着て来い。」

背中を押すと傷跡があるのに気がついた。
あ、爪切ってなかったから…。
自分の体についてるキスマークより余程恥ずかしい。溜息。

着替えて来てからは、じつと見てるかどこかに触れてるか。
昨日あれだけやったのにまだ落ち着かないのか?帰るまでには落ち着くと思うけど…。

優しくねえ。おやつでも作るか。材料在るかな。動こうとすると引き止められる。
「いいから側に居てくれ。」仕方ない頭を抱きかかえ
「じゃしばらくこうしていよう。」

「顔が見えない…」
「俺の顔より炎でも見てなよ。」
「炎を見ているきみの顔が綺麗だ。」
「あなたに綺麗とか言われてもなあ…。」

音を立ててはぜる炎を見るのは昔から好きだ。
唯魅入られる。何時までも見てて飽きない。

「寝ているのか…。」
「おきてる…何も考えないのも久しぶりだなあと思うけど。
このまま寝ても気持ち良さそう…。」寝ていいかなあ。

「よくそんなに大人しく炎見ているな。」
「好きだし…あなたに似てるかな。印象が。」

「どこが?」
「見てて飽きない…。」
「褒めているのか?」
「うん。」

「もっと良い言葉で言って欲しいものだ…。」
「思いついたらね…。それより寝なよ。俺は少し寝るぞ。」

暖炉の前でごろごろ怠惰な世界。
休暇な気分満喫。安上がりだ。


う〜ん…こそばゆい…。

「おきたか…」
「何?」

人が寝てる間に胸で遊ぶな。襟を治して座りなおす。

「一人で寝ているのが悪い。」
「あなた本当に寝ないな…。」
「きみはよく寝る。」
溜息つかれてもねえ。

「身に危険は感じないし他の気配がないから久しぶりにのんびりしてるけど…。
そっちこそ何故そんなにぴりぴりしてるんだ?」
「きみが二人きりなのに他に気を取られてばかりだから。」

「へ?」
「私を見ないで他のものばかり見ている。」
「何のこと?」

「鍋や暖炉を見ているほうが長い。」
…正気で言ってるのか?熱あるんじゃないのか?
思わずおでこに手を当てて熱を測る。無いか…。

「何で鍋や暖炉と人が同じレベルになるんだ…。」
「鍋や暖炉でも嫌だ。」

「寒いのもひもじいのも嫌だぞ。俺は。」
「きみは帰るまで何もしなくて良い。私を見ていてくれ。」
「帰るまでね…。」

仕方ない。それで気が済むなら。
とにかく連れて帰らなきゃいけないし…。溜息つきながら
「いいよ。」


ひどく嬉しそうにキスしてくる。手で押し返しながら
「ひもじいのも寒いのも嫌だってば!」
と言えばいそいそ食事の支度をしだすし見てないと振り向いて睨むし。
変なセンサ全開か…。


やる気満々で手を引かれたときには
「ちょっと待て。爪切らないと。」

変な顔してみるから
「背中痛くないのか?」

「あ あ。気にするな。」
「誰も見ないなら良いんだけど。そうもいかないだろう。」
「ではわたしがやる。」

また嬉しそうに爪をやすりで整えてくれた…。
やつが嬉しそうにするほど力が抜けて溜息出そう。


窓からの月の光に気をとられるとまた不機嫌になる。

「だったら窓をふさいでくれ。嫌でも目に入る。」と言うと
「月明かりに浮かぶ肌が綺麗で。」とか訳のわからんことを言う。

ものすごーく疲れた。特に目が。目つき悪くなりそう…。


帰る時にはすっかり御機嫌で。

なって無きゃこっちが切れる。

帰りはほとんど目を瞑って余所向いてた。
やつの目が悲しそうだったので手をつないであげた。

甘やかしすぎかなあ。

さじ加減が難しい。仕事してる方がずっと楽。頭痛いぞ。

2006/2

作品名:月がみてる 1・5 作家名:ぼの