a hose and a queen
エビアン
きれいに爪の切り揃えられた指が、とんとんと肩をつついた。うとうとしかけていた山本は、億劫そうに首を僅かにリボーンのほうへ向けた。
「……なに」
「喉が渇いた。水が飲みたい」
「水なら…」
と、ごろりとこちらへ体を反転させ、ベッドに入ったまま半身を起こしている彼の腹の辺りへ伸しかかるようにして、サイドテーブルに置かれた水差しを指した。
「やだ」
自分の腹と交差するように寝潰れかけた山本に向かい、そう言ってリボーンはぐいと口を捻じ曲げた。
「水飲みたい。冷たいエビアン飲みたい。口移しで飲みたい」
「…温くなるじゃん」
「口移しじゃ温くならない」
腹の上で、山本の肌が少しだけ動いた。それを知って、小さくふき出す。
「妬いてる暇があるなら、俺のためにエビアン汲んでこい」
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@ガキ使。
『なんで口移しで温くならないって知ってるんだよー誰と試したんだよー』
いやさリボーンさん人生長いから。っていう。
2008.7頃
作品名:a hose and a queen 作家名:gen