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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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【完全読み切り】夓

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「先輩って彼氏とはどんな話するんですか?」
 ヒカリちゃんに聞かれて私はしばし考える。…本当にとりとめもない話だよ?可愛いポケモンは、とか、好きな戦い方は、とか。あと、お菓子作ったから食べない、とか。
 「逆にそういうのがうらやましいんですよ」

 じゃああなたたちはどんな話をしているの?と聞きたくなってしまう。どんだけ二人とも恥ずかしがり屋さんなんだろう。まあ、昔の自分たちだってそう話したものじゃあなかったが。彼らにだからと言ってアドバイスできることもなく、はっきりいって何もできない。
 とはいえそんなことでこのヒカリちゃんが退散するはずがなく、少々困った。…だいたい。

 私とユウキくんの関係っていうのは、あなたたちとはちょっと違うはずだよ?

 まず、旅をした場所。ジュンくんとヒカリちゃんはホームグラウンドのシンオウ地方。私はホームのほうえんだが、ユウキくんはホームではない(イエロー先輩とコトネちゃんも勘違いしていたが、彼はジョウト・コガネの出身だ)。次に、私たちの旅はコトネちゃんとヒビキくんのような、二人旅。一方ヒカリちゃんはジュンくんと旅をしたわけではなく、お互い独立して歩いていた(それは、かの伝説のトレーナー・レッドさんとイエロー先輩もそうだった気がする)。それから、ヒカリちゃんは誘拐されることが多かったが、私はどっちかっていうと、自分が迷惑するより彼に迷惑をかけるタイプだった(そんなことを言うと「誘拐されるのだって救いに来る彼に迷惑です」っていうだろうけど)。大体、ユウキくんは私を支えてくれるけれど、私はユウキくんを支えることはできていない(ユウキくんは「それは逆だ」って言ってきかないけれど)。

 でも、二人はお互いをサポートし合っているじゃないか。


 夏。暑い。そして、大体、こういう時期は二人の関係も熱くなっていく。そういうものである。私は彼女に、ジュンくんと二人でデートすれば、といった。海なんかいいよ、なんて。

 アドバイスしているような余裕はないのに。

 ユウキくんはどうするつもりなのだろうか。お父さんにあこがれているって言うことは修業かな?別にそうなら邪魔するつもりはないんだけど。

 「おい」

 なんだ、シャモルド君(ユウキくんの相棒のバシャーモ君)か。どうしたのだろう。

 「あいつとどこか出掛けなくていいのかよ」