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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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【完全読み切り】夓

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 「…言えたら私は楽ですよって言ってみるテスト」
 「馬鹿かお前」
 「馬鹿じゃなきゃ今頃言ってるよ」
 「お前なあ…」
 「ところでユウキくんはどうするつもりなの?」
 「ああ、あいつは俺たちに好きなことをして来いって」
 「自分は何もしないのかなあ?」
 「そりゃあデートくらいしたいからそんなこと言ってるんだろうが。現にそれ(空気)を読んだジュドさん(ユウキくんの相棒のラグラージの長老)は、どこにも行かないって言ってたし。まあ俺はリリー(私のキルリア)と出かけてくるから、留守は任せとくぞ」
 「えー」
 「大体出かけたきゃ自分から言いやがれ!俺に頼るな!」
 「できないから苦労してんでしょうに」
 「たく…あの男が恥ずかしがりやなの知っててやってんのか」
 「そんなの私だって恥ずかしいもん」
 「くっそー、人間って訳わかんねえ!!」


 とりあえずシャモルドくんに口をきいてもらって、夏の間のお出かけは決まった。…何処かって言うと、それはカントー地方である。ハナダのデートスポットの北の岬とか、クチバ港とか、タマムシのレジャー施設とか。

 ただ…何でか知らないけど、ユウキくんの気分が悪そうだ。体調的なものではないようだから、心なんだろうけど。もしかして、修行に行きたかったのかな…。

 「って、顔青ざめてない!?」
 「ああ…平気だよ」

 「…ちょっと話があるんだけど」

 「…何?」

 「キミは、またなんか隠し事してない?」
 「…してないって」
 「してるでしょその返答」
 「してないってば…」
 「ふーん…ならいいけど」
 そういいながら、彼の顔は懐疑的にもほどがあった。

 彼は、私と完全にデートするわけじゃあない。やっぱり修行の日もあるし、あと、自分の友人に会ったりするらしい。…正直、それが女の子でもいいなと思った。自分が彼のガールフレンドに向いてないと言う気持ちは、だんだん強くなるばかりだ。

 #

 正直、あの子が何も隠してないとか、あの顔でよく言うな、と思う。
 僕はあのコと何年付き合っているんだと思っているんだ。全部お見通しなんだよ。
 
 …ハルカちゃんはもしかして僕を完全に信用できないんだろうか。