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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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【完全読み切り】夓

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 「で、どう思う?」
 「で、って言われましても…」

 コウキくんは直球でぶつけてきた。
 
 「それはユウキ先輩がもっと積極的になるべきでしょう」

 「やっぱり…?」
 「大体女の子に全部投げるようなのって最悪じゃあないですか」
 「分かってるけど…」
 「…ユウキ先輩」
 「なに?」

 「正直、男ってもっと強引な生物ですよ」
 
 「そうか…そうだね」
 彼に感謝をして電話を切る。

 どうしようかな。明日はハナダの岬に行こうって言ってたし。

 #

 彼が、私の手を引く。いつぞやの光景だろう。
 …でも、なんか緊張するっていう感じがしない。

 というか、うれしい。

 そして、彼が岬の、ちょうどいい景色が見えるところに来ると、いきなり私の背中に右手をのばす。そのまま脇を通して、ギュッと引き寄せられる。

 これが彼に求めていたことなのかな。たとえ違っていたとしても、これを求めていたことにしておきたい。

 彼の顔を見ていると、もう迷いがないんだもの。