二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

Territory

INDEX|3ページ/3ページ|

前のページ
 

う〜駄目。気持ち悪い。吐き気がして目が覚める。がばっと起き上がってトイレに走る。
あ〜気持ち悪い…。
何だろ?胃酸過多か胃痙攣か?入口から声が掛かる。

「アムロ。大丈夫か?」
「あーごめん。起こしたか…。」
「それは構わないのだが…。動けるか?」
「駄目。暫くここでへばってるから放って置いてくれ…。」無言で離れたかと思うと蒸しタオルだの水だの持って来てくれる。

「脂汗をかいている。」額や喉を拭いてくれる。まめだ。
「ごめん…。今何時だ?」
「夜の9時だな。」

ほぼ半日寝てたのか。お腹空きすぎだな…。便器に懐きながらチラッとみるとやつは平気な顔してる。
「何か食べてきたら?」
「きみの様子が落ち着いたら何か入れよう。水飲めそうか?」

「…駄目。」体温まるとまた吐き気がする。あ〜参った…。
「医者を呼んだほうが…。」
「ただの胃酸過多だ。どのみち今薬飲めないし。」飲んでも吐いてしまう。脳貧血も起こしてるし。

「何もそんな所にいなくても。」
「動くと気持ち悪いんだよ…。そこで見てなくていいから…。」
眼を瞑ったまま言う。邪険である。

気がつくと見えるところからいなくなってる。いじけたかな?
落ち着いてきたのでこもっていたのを出て手近な椅子に座り込むとすかさず水と薬を持ってくる。
見張って無くていいから…。

「ありがと…。」水はもらう。そのまま座ってると隣の椅子に腰掛けて
「何か食べられそうか?」
「止めとく。あなたは食べなよ。」

「食事抜かしたぐらいで…。」
「悪かったね。お腹空きすぎた所為だよ。」
目が覚めた時点で余程お腹空いてたんだから何か食べるべきだったんだが暇が無かったから。

「食べないと駄目か。」
「少しでもお腹に入れとけばこんな目には合わないんだけど…。」
「量だの何だの面倒だな。」むっと顔見て
「あれ?」手を伸ばしてぺたぺた触ってしまう。

「傷がない…。」
もしかして美形は顔の傷の治りは3倍なのか?寝ると治るのか?便利だなあ。

その手を取って手のひらにキスされる。
「久しぶりに二人きりになったのに。」そんな恨めしげに言われても無理。
口の中は痛いわだるいわ…吐くと体力消耗するから。

「今のおれ見てよくそんな気になるな…。」
「何時でも大丈夫だ。」色ボケか?
「おれは無理だから。」言うまでもないんだが一応言っておかないと。

「では何時なら良いのだ?」いや。そんな事面と向かって言われてもなあ…。
「あなたまだ寝ぼけてるんだろ…。」
「何時でもいいなら今すぐその気にさせ」思わず口を押さえる。

「せめて体調の良い時にしてくれ…。」
本気でやりそうで怖い。
「仰せのままに。」機嫌良さそ…。

「人が弱ってるのにご機嫌だな。」
「正直溜飲が下がる。」正直者だな。
苦笑して「そりゃよかったな…。」

「もちろん早く良くなってくれるともっと嬉しい。」色ボケだな…。
「はいはい。あなたはちゃんと食事して寝ろよ。明日から仕事だろ。」
「きみはどうする。」

「あなたと違って顔の痣が消えないから休むよ。ナナイさんからも顔治ってから出てくるように言われてるから。」
根性や気合で顔治るようにできてません。

顎を掴んで「見せてみろ。」じっと見て「少し目立つか。」
薬箱を持って来てまた貼り直す。ちゃんと冷やさないからだとナナイさんに怒られるな…。

一人で食べるのが寂しいとか言われて食事に付き合わされる。スープだけ。口の中が痛いからちまちま飲む。
「直りが遅いな。」個人差だろ…。

「早く治して復職してくれないと仕事する気にならない…。」
「人をさぼりの理由に使うな…。」

「きみがいないと仕事が滞る。疑うならナナイに聞いてみるといい。」
「開き直るなよ…。」

「本当のことだ。」なんだかなあ。
「仕事そんなに溜まってるのか?」
「きて見れば分かる。」行きたくないかも…。じっと見られて

「きみは十分休んだのだろ?」
「頑張って治します…。」と言わされる…。そんな根性無いぞ。

「明日に備えて早く休めば?」
「もう十分寝た。」
「じゃ明日から書類の山を片付けるのに差し支えないな。おれが行く前に終わらせておいてくれ…。」
「出来ないことは約束しない。」酷いなあ。人には言わせておいて。

「あー顔のことなんかどうでもいいから仕事行きたいぞ。」そんなに溜まってるのかと思うと気が気じゃない。
「きみはわたしの事より仕事を優先させるのか。」

「切り離せないだろ。」
「たまには離して考えてくれ。」難しいことを…。

「今そんな体力無いんだけど…。」むっとして
「ではもうやすみなさい。」
「それなら今日はもう抱きこむなよ。暑苦しくて具合悪くなると困る。」

「枕なのに…。」
「枕は開店休業中。」溜息ついて
「早く治してくれ。私は辛抱強い方だがきみ相手には自信がない。」

あれを辛抱強いって言うのか?執念深いの間違いではなかろうか。

「そういうこと言うならおれだってまとめて相手したくないぞ。」
腎虚で死ぬのはごめんだ。戦場で死ぬならともかく。

「そう思うならきちんと面倒見てくれ。仕事にかこつけて手抜きしないように。」
面倒って何か違うだろう…今更投げられないよなあ。

「ぼちぼちね。頼むから一遍に来ないでくれ。」
「きみが体を鍛えればいいだろ。」そういうレベルの問題か。鍛える時間と場所が無いし。

「そんな事よりその顔の傷一晩で治す技を教えて欲しいぞ。」
「そんな事とは聞き捨てならないな。」
「だって走りこみする場所ないし時間もないし。明日から役に立つのはどちらかと言うと顔の痣をどうにかすることなんだけど。」

「…気合だ。」
「は?」
「すこしの傷なら気合で治る。」いや。無理だろそれは。

「痣には応用できなさそうだね…。」
「治ると思えば治りは早い。」

「そう?」
「何でも試してみろ。」
確かに治ると思ったほうが治りいいかもしれない…この際藁をも掴む思いだから試してみるか。

根性が足りない所為か気合が足りない所為か翌朝には治らなかったけどその次の日には無理やり出勤したら顔の痣に気がついた一部から不穏当な噂が立ったとかでナナイさんに怒られた。

どうせ他にも山のように噂されてるからと言ってまた怒られた。

おれの学習能力はどこに行ってしまったんだろ。つられてボケたかなあ。


2007/1


作品名:Territory 作家名:ぼの