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Territory

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「軽く考えてるわけじゃない。」嘘をつけと目が言ってる。
「何時でも簡単に棄てる気でいる。」

うーん…痛いところを突かれてしまった。
二の句がつけないでいるとそらみろとばかりに睨まれる。人の命は使えないからなあ。

目を細めて「簡単に棄てられるから簡単に与えたのか?」
「何のこと?」
「わたしに身を任せた時の話だ。」
「そんな昔のことを。」何年前のことだ?

「大体わかっててももらえるものは貰うと言ってたのは誰だったかな。」
「大事にしているだろ?」
「だったら文句言うな。」

「人が大事にしているものを簡単に捨てられたら文句も言いたくなる。」
「えー捨ててない…。」
「ほー。」また睨まれる。えーと…。

「人の事は守るとかいって自分のことはどうでも良いと?」

割とどうでもいいんだけど。そんな事言ったら殺されそうだな。
「まさか…。」

半眼で額を押さえながらジーっとみてる。後ろめたさに視線がはずせない。ほとんど睨めっこ状態。

こんな時になんだがジンジンしてる。
「ごめん。ちょっと席はずしていいか?」
「どうした?」立ち上がりながら
「顔冷やしたい。」
「座ってなさい。わたしが持ってこよう。」
ちょっと痛くなってきたのでそのまま座りこんで眼を瞑る。

「ほら。」
熱さましのジェルが頬に貼り付けられる。冷たいのが気持ちいい。あざになるかな?冷たい手が額に触れる。

「熱が出てきたか?」
「腫れてるだけだと思うけど…。少し寝る。」
眼を瞑って横になろうとすると

「ちゃんとベッドで休んだ方が良い。」と腕をとって引っ張られる。
いつっ…。振りほどく元気も無いので大人しくベッドに横になる。

「おれは睡眠足りてるんだけど。」
「大人しく寝ていろ。」と頭を押さえられる。ムカついたので手を捕まえて
「じゃあなたも眠れなくても横になりなよ。」と言うと今度は振りほどこうとはせず溜息ついて隣で横になった。

背中向けるかと思ったらこっち見て睨みつけてる。元気だなあ。こちとら睡眠が足りてても横になって大人しくしてると自然眠くなるんだけど…。やばいなあ。睨まれてるからって何時までも起きてられないぞ。

恐る恐る手を伸ばし髪に触れる。
「今度は逃げないんだ。おれに触られるのが嫌なんだろ?」
「そういう事ではない。あの時の私の気持ちはきみにはわからない…。血が凍ってそのまま燃えたような思いは。」

う〜ん。らしいのからしくないのかわからないな。良くそんなに冷静に怒れるものだ。血管切れそうな…。
身を起こしたと思ったら手が首に伸びてくる。力を入れずにじっと見る。その目に魅入られる。
一瞬手に力が入ったがゆっくり放したのでこちらも起きて顔を覗き込む。ちょっとぼーつとしてる。

また逃げるかなと思いながら顔を近づける。
「大丈夫か?」
「何が?」駄目だなこれは。

頬に触れて額にキスをする。無理に頭を抱えて
「眼を瞑ってじっとして。大丈夫だ。おれは簡単に死なないよ。」
「そうだな…。」少し肩の力が抜ける。

お酒でも飲ませれば良かったかな…。どこかに薬置くようにするか。そんなに怒らせないと良いんだろうが自信ないし。

急に重さが右肩に掛かってくる。寝たようだがこの姿勢は…。座って上半身だけんのし掛かっている。

どうしよう重いんだよなあ。折角寝たのに起こしたくないし…。そのうち寝返り打つだろう本人だって寝づらいだろうから。
動く方の腕を伸ばして毛布をかける。枕を背中に回して寄りかかって頭を肩で支える。
「おやすみ。」

そういえばおれと違って寝相は良いんだよな…。
そんな不自然な姿勢で数時間寝るとは思わなかった。おれが体痺れて目が覚めたのにまだ寝てる。

おでこに跡がついてるし…。体をずらして枕に頭を預けて痺れる体をだましだましベッドから出ようとすると服の端を掴まれてる。

おい…。そんなもの掴んでる暇があったんならそんな姿勢のまま寝るなよ…。えーい脱いでしまえ。

足が痺れて感覚無いぞ…。大体今何時だ?決まった時間に部屋から出ないとドアの外で騒ぎになる。
誰だって寝室のドアなんか開けたく無いよ…。

よれよれしながらキッチンに行って水を一杯飲みながら時計を見ると食事の時間はとっくに過ぎている…。やば…。

慌ててエントランスホールに通じるドアにむかう。ドアが厚いから気配は分からないが…。
こっそりドアを開けて外の様子を伺うと思い切りドアを引かれる。

「おはようございます。」ナナイさんがにこやかに言うが目が怖い。
「…おはようございます。」

「久しぶりですのに何ですその格好は。」
「いや、あの、えーと。焦ってたもんで。」
ランニングにパジャマの下って言う格好では怒られても仕方ない。

「何かあると直ぐ呼ばれる此方の身にもなって頂きたいものです。」
「はあ。すみません。」

「総帥は?」
「寝てるよ。全然起きない。」眉を顰めて
「失礼いたします。」

そのまま真直ぐ寝室に入っていく。人がいない間に上向いて真直ぐの姿勢で寝てる。わざとか?

「ただ寝ているようですね。ほって置いても大丈夫でしょう。それよりその顔は一体。」顔からジェルを剥がされる。
「いたた…。」

「少し青くなっていますね。口も切っているんですか?」
「少し。」
「その顔で出てこないで下さい。復職は治ってからで結構です。」
「直ぐ治るよ。」

「顔の痣は甘く見ない方が良いですよ。薬箱はどこです?」
「書斎の戸棚。」
「冷やしましょう。」大人しく貼ってもらう。

「殴るなんてらしくないですね。」
「あんまり怒ってるから手っ取り早く発散させようと思ったんだけど…。本気で殴ったら顔変わってるよ。」結構顎にきてる。
「自業自得です。」仰る通りで。

「おかゆでも頼みましょう。起きるまで様子見ていてください。場合によっては明日もおやすみで…。」驚いて人の後ろを見てる?
「何?」振り向く間も無くソファ越しに圧し掛かってこられる。
「どわっ…。」重いぞ…。さっきまで熟睡してたくせに何だ?

「何?お腹空いたの?」
「枕…。」
「はい?」
無理遣り人立たせてにっこり笑って引っ張ってく。
「枕が替わると眠れない…。」枕かい!

「食べものは運ばせておきますので温めてください。あ。顔はちゃんと冷やしてください。」と投げ遣りなお言葉を背に寝室のドアが閉まる。はあー。

「何でもいいけど。ちゃんと寝てくれるんだろうな。」
「枕があれば大丈夫。」
なにやら少し呆けて顔して答える。寝不足で飛んでるようだ…。
後で何言ったか憶えてないかも…。

大人しくベッドに入って寝入るのを待つ。呆けた顔も珍しいのでじっと見てしまう。
まだ顔にかすり傷が残ってるナナイさんに怒られるなあ。

「何だ?」
「起きた時に教えてあげるよ。」
「そうか…。」頭を抱え込まれて
「まあ。無理に聞くのも楽しそうだ…。」

「…枕があれば寝れるんじゃなかったのか?」
「ああ…。」さすがに眠いのか大人しく寝てくれる。眼を瞑ってじつとしてればこっちも眠くなるだろう。
寝すぎだけど次にやつの目が覚めるまでベッドから出られそうも無い。出るとまたおきてしまうだろうし。抱き枕状態だからな。…お腹空くなあ。

作品名:Territory 作家名:ぼの