おとこのこ
少年はそうまくし立てるとくるりと踵を返し、脱兎のごとく校門に向かって走って行ってしまった。
「なんだったんだ、あいつ…」
「まぁ、立向居も災難だったってことだろう…」
少年の後ろ姿を呆然と見つめながら言う綱海に、風丸が呆れてため息をつきながら答えた。
「さぁ、おまえたち。揉め事は終わった。さっさと着替えて練習始めるぞ」
響木の言葉に呆然と立ち尽くしていた部員たちがぞろぞろと部室に入って行った。
残された立向居は先程の自分の醜態を思い返し、今すぐ穴を掘って入ってしまいたいと頭を抱えるのだった。