二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

Love is by nature blind

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

 かぁ、と頬が熱くなった。 なんてこと言うんだこの人は…!思わず抱き締めてしまいそうになった。ぐっとその衝動を抑えこんで…、まったく、いい加減にして欲しいよ、くたばれイギリス!ポコポコ怒る自分とは対象的に当のイギリスはというと気持ちよさそうに目を細めて「あめりか〜」とすりすり頬擦りまでしている始末で、そして…て、それ俺のジャケットだよ何キスしようとしてんだい君は!やめてくれ、せっかく抑えた衝動が…!もおおくたばれ、ばか!眉毛!ていうか何でそっちにキスしようとしてんの、アメリカはこっちだよ!

「ふへへ、あ~め~り~か~」
「きみ、この…変態!脱げ!返しなよ!俺の好意を返せ!」
「脱げだと!?こんな場所で脱げとか言いだすてめぇの方が変態だ!」
「変態なんて言葉、君だけには言われたくないんだよ!このド変態!」
「うるせぇええ!この鬼畜眼鏡が!お前なんか××××で××××になっちまえ!ばか!」

 ファスナーを 下ろそうとするがイギリスの抵抗にあってなかなか上手くいかない。お気に入りのジャケットだから引っ張って破れてしまうようなことは避けたい。けど背に末は変えられない。ぐっと力を込めて引っ張るとイギリスは一瞬怯えた表情を見せた。 

「や、やめろ!アメリカが…!やめろって言ってんだろ!!」
「ちょ…え、ど、どうして泣くんだい?」

 ぽろぽろと涙を流し始めたイギリスに一瞬身がすくんだ。大粒の涙をぽろぽろ零しながら、ぎゅっとフライトジャケットを握る。

「な、泣かないでくれよ、俺何かしたかい?」

 ぐすぐすと大粒の涙を流しながら泣くイギリスの姿を見て胸が苦しくなった。彼の泣く姿が独立戦争のあの雨の中、崩れ落ちて泣くあの姿とかぶって見えて、思わず彼の腕を引っ張り自分の胸に抱き込んだ。ぽすん、と軽い衝撃と共にイギリスが腕の中におさまる。すんすんと鼻をならして泣く彼の背をぽんぽん、と軽いリズムで叩きながら極力優しく話しかけた。

「う…うぅ…アメリカ…」
「ねぇ、そんなに泣かないでくれよ。君に泣かれるとどうしたらいいか分からなくなるんだ」

 怒ったり無視されたとしても、あえて空気を読まずにゴリ押しで何とかしてみせるけど、泣かれるのだけはどうしてもダメだ。彼の涙はあの独立戦争以来、俺の記憶に鮮明に焼き付いて一種のトラウマ状態と化している。俺にとって彼の涙はどんな武器にも勝る凶器だ。

「あ、アメリカが…アメリカが破けちまうかと…!そ、そんな力いっぱい引っ張らなくてもいいだろ!」
「色々突っ込みどころはあるけど…。うん、ごめんよ、次から引っ張らないから。あと、アメリカは破けたりなんてしないからね」
「そんなの分かんねぇだろ!?おまえ、バカ力だから、お前の手にかかればアメリカなんて、ビリビリに…!」
「……まぁ、地図ならビリビリになるんだろうけど。……イギリス、もういいから帰ろうよ。俺(君の面倒で)疲れちゃったし」
「……うん、そうだな。……なあ、帰る前にもう一回だけでいいから、その…ぎゅってしてくれないか…?」
「………君、次の日死にたがるんじゃないかな。……オーケイ、分かったよ、そうやっていつも素直になってくれれば俺も素直になれそうな気がするのになぁ…」



***



「なぁ、あの2人何してるん?」
「お兄さんが知るわけないだろ、珍しくキャッキャウフフしてんだから放っておいてやれよ」
「さっきまでぎゃあぎゃあ言い合っとったのに、なんか仲良さそうやん。ええなぁ、俺もロマんとこ行ってぎゅーして来よかな」
「おーおーさっさと行ってこい、で、頭突きされてこい」
「僻まんといてーや、いくら独り身で寂しいからって僻んで八つ当たりはアカンで」
「お、お兄さん独り身じゃないもん!構ってくれる女の子いっぱいいるもん!今はちょっといないだけで、て、お兄さんを無視しないでえぇえええ!!!」
作品名:Love is by nature blind 作家名:こはる