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そらにはしる

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「仕事の話とお説教された覚えしかないんだけど、まあ友達って訳じゃないんだからそんなもんか…。」
「私たちは何なんだろうな…。」
「敵だろう?今は。」

シャアがふわりと笑った。
「そうだな。」
うわ〜凄いもの見てしまった。とろけそうな笑顔。見ているこっちが恥ずかしい。

「そこで嬉しそうに笑うあなたも訳のわからない人だな。」
「そうか?嬉しそうか。」
にこにこしているようにしか見えないけど、何がそんなに嬉しいのかな?

「そんな顔で指揮しても回りは見とれて働かないんじゃないのか?」
「顔で指揮するわけじゃあるまい。」
「あなたなら出来そうだけど、優雅に笑ってプロガバンダ。人たらしというか。」
「ひどいな。」
と言う割に楽しそうなのは気のせいか?

お茶がやっと来た。俺には湯飲み、やつにはティーカップだ。じろつと見られたが、文句があるなら俺じゃなくやつに言えよと思ったので無視した。
「で?今日は何か俺に用なのか?」

「いや。ちょっと‥‥、正直に言うと、どさくさ紛れに連れて行こうと思っていたんだが、気が抜けたので、止めにする。」

はあ〜?なんだよ気が抜けたっていうのは…いや別に連れてかれたいわけじゃないから聞かないでおこう…触らぬ神に祟り無し…どうせ腕ずくじゃ敵わないのだし。

だから余計じかに会いたくはない。湯飲みを両手で抱えるみたいにしてのむ。やつは本当に嬉しそうに人のこと見ている。なんだかなあ〜。いたたまれないぞ。

「あ、そうだ。あなたの新しいMS色は赤いのか?」
「そう、赤だな。」

「やっぱり。写真に赤い影が写っていたから、そうじゃないかと思ったんだけど、ブライトがあなただから赤とは限らないだろうって。」
「ブライトか、元気か?」

「あなた…人に見張りつけているのだから、ブライトのことも把握しているんじゃないのか?」
「ああ、そう言えば報告書には書いてあったような。」

「人のことは言えないけど、書類はきちんと読むべきだろう。書くほうは大変なのに。俺なんかブライトにもっときちんと書けって言われているけどさ。」
「ほお〜。」

「何だよ…ディスクワークは苦手なんだよ。まあブライトの下は働きやすいから良いけど。」
ああ、そろそろ戻って仕事しなきゃ。机に湯のみを置き、立ち上がって歩き出す。

「ごっそさん。じゃ俺戻るわ。」
と、また腕をつかまれ引きよせられる。
「これを忘れて行く気か?」
とやつの手に拳銃が…。

「あ!本気で忘れていた。弾入ってないもんで…つい…、笑いたければ我慢しないで笑えば?」
笑いを堪えて肩が揺れてる…。ふん!暫くしてから
「…すまん、そこまで送ろう。皆気が立っているようだ。」

「そりゃそうだろう。楽しいのはあなただけで、周りは気の毒に、心配しているぞ。しかし何で丸腰の人間にそんなに警戒するのかな?腕力じゃ敵わないのにさ。」
「最強のNTだからだろう…。」

「本気で言っているのか?最強だなんて…。」
「心から…。」
「あなたも“俺”じゃなく夢を見ているんだな…。」
NTに…無理もないか…。
「?アムロわたしは…。」

気がついたときには、すでに銃口が向いていた。シャアは俺をかばうと躊躇なく撃とうとする。
ちょっと!あわてて銃を下に向けさせる。

「アムロ!」
「自分の部下に銃を向けるのか!」

「君を撃とうとしたんだぞ!」
「だからって頭を狙うな!」

「私の指示に従わない部下などいらん!」
「シャア、落ち着け!だいたいあなたのしていることの方が無茶なんだぞ!俺を殺そうとするのが、当たり前なんだ。」

「アムロ!」
「…まつたく自分の立場を考えろ。何で俺がこんなこと言わなきゃならないんだ…世話の焼ける人だな。
情緒不安定じゃないのか?これ以上世話やかすならもう会いに来るな。みんな迷惑している。」

「…アムロ。」
拳銃を受け取る手ごと引き寄せてささやかれる。
「君を殺すのは私だ、それまで万全で。」
「はいはい。」
まともに答えていられるか、わざわざ念押さなくてもわかっているってば。

ばかばかしくなってきたぞ。
「アムロ、せいぜいアナハイムに金を出させるんだな…。」
やっぱりそのつもりだったのか、あの騒ぎは。はあ〜。

「そうさせてもらうよ…。」
「もっとましなMSを用意したまえ…。」
一段と顔を近づけたと思ったら…。

ビクン!
「シャア〜!」
顎の傷舐めやがった…。嫌がらせか〜。

フンって顔して
「次に合うのが楽しみだ。」
とかぬかしやがる。

「二度と来るな!」
さっさと帰れ!また嬉しそうな顔して引き上げていく。

だから!なにがそんなに愉しいんだ…誰か教えてくれ!

後でブライトに言ったら
「本当に解らないのか?それじや見当つかないでもないが、聞かないほうがお前のためだ。」
とか言われた。何なんだ〜!



余談 
「もっとましなMS…。」
「もっとましなMS…。」
「もっとましなMS…。」

と考えているうちに俺はついにきれてしまった!どうせほとんど一人で作っているようなものだからあちらに敵うわけないじゃん。
こうなったら徹底的にカスタナイズしてやる〜!


ああ、やつに会ったら問答無用で殴りそう…。


2004/1






作品名:そらにはしる 作家名:ぼの