理想を夢見るマザーファッカーの最後の独白
客観的な事実だけを述べれば、俺は大切に抱きしめていた彼を突き飛ばして、二度と顔もみたくないと言って彼の家を出た。ただそれだけだよ。それ以上でも以下でもないし、それ以上を語る気も一切ないよ。妥協なんてしない。ダブルバーガーを奢ってもらったって何も言わないよ。
ぷい、とアメリカは顔をあげて窓の外を睨みつけた。外を歩く人々の中に誰かを探しているようにも見えるし、そこを歩く誰にもに興味がないようにも見えた。彼の手元のトレーには食べ散らかされた残骸が片付けられることなく載っていた。
彼らは、ひどいね。最後にアメリカはただそれだけ呟いてストローを噛みちぎる勢いで銜えた。カップの中身は氷すら残っていなかった。
作品名:理想を夢見るマザーファッカーの最後の独白 作家名:はな