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地にありて

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「どうしてわたしはきみの慰めにならないんだろう。気がつくときみは消耗している。」
自己管理の問題ではないかと。

「それはおれが整理や切り替えが下手だからだろう。」なんか暗くなってないか?
「そのうち慣れるよ。何時もどうにかしてきたんだし…。」

「わたしに頼ってくれないんだな。」
「あなたの方が大変じゃないか。負担を減らしたいのに大して役に立ってないようだし…。慰めにもならない。」

「そうじゃない。きみがいてくれるだけでわたしには十分だ。だがきみには十分じゃないんだな…。」うわー怒ってるな。
「そういう意味じゃ…。」

「そうとしか思えないが…。」結果だけ見るとそうかも。
「だっておれがあなたに無理させてるんだし…。」

「見くびるな…。」
「じゃいなくても仕事できるんだよね。」
「出来るが嫌だ。」えばって言うな。

「嫌って…。」サボってやる。とぶつぶつ言ってる。2・3日いなかっただけでそんなにわざとらしくいじけなくても。

手を引いて部屋に戻るなり後ろから抱きこんでくる。まだ気配はイラついてる。抱え込んでいる腕に手を添えて
「大丈夫?」
「いや…。」と力を入れてくる。重いし息苦しい。

「何故消耗させるだけなんだろう…。」
「何が?」
「きみはわたしに力をくれるのにわたしはきみを疲れさせる。」

「それは違う。」
「だがきみはわたしに頼ってくれない…。」
「頼ってるだろ?」
「何を?」

「政治的なことについてはみてるだけで何の助けも出来ないじゃないか。あなたの判断に任せてる。」
「それは仕事だ。」

「生活だよ。生きてることが大事なんだ。少しでも良くしようと言う姿勢が。積み重ねだろ。」笑ってる気配がして力が抜けた。

腕の中で向きを変えて顔を見る。まだ目が暗い。その目を見ながら
「おれがあなたの力になるの?」

「いるだけで…。」
「じゃいいんだよ。おれはあなたの力になる為にいるんだから。」
「だがきみは…。」

「花を貰った時に、人を癒すために咲いていると言われたんだ。それと同じだよ。」
「花か…。」

「柄じゃないか。あなたのほうが似合う。」
「いや…。」急に目が和んだなと思ったら
「枯れないように愛情が必用なのだな…。」

切り替えが早いな…まいいか…機嫌が直ったようだし。

頬に手が添えられてそのまま目を閉じた。

2007/8

作品名:地にありて 作家名:ぼの