デジキャラット・シンフォニー
「ちょっと待つにゅ、平田先生が捕まったわけを知りたいにゅ」
「そうね、あんな偉い先生が捕まるならよっぽどのわけよね」
「では、私が捕まったわけを聞かせていただきましょうか」
「そうですね、それではここにUFJ貨幣資料館からお借りした資料がある」
それを見て全員ぎょっとした。
「北朝鮮1ウォン硬貨」
「ぷちこが拾ったコインとそっくりだにょ!」
「と、言うことは私は北朝鮮の関係者と誤解されたわけか、逮捕されるわけだ」
「じゃあアキハバラを襲ったのは北朝鮮の空軍」
「さらに平田先生が持っていた布の切れ端は、産業技術記念館での分析の結果、ビニロンだったことも判明した!しかもかなり質の悪いものだ!」
「これで全部読めた、なぜ突然アキハバラが襲われたのか」
「教えて欲しいにょ!」
「まあ、あせるな。こんな所では寒くていけない。さっさと外へでて何か食べよう。きしめんくらいならごちそうしてやるぞ!」
「ぷちこ、味噌煮込みうどんがいいにゅ」
「よく知ってるね、味噌煮込みなんて」
「アキハバラに店があったにゅ、辛くておいしいにゅ」
「わかった、近くに店があったからそこへいこう」
「こんな所でお話していいんですか?」
「大事な話は隠れてこそこそやるよりこういった場所の方がばれにくい、聞き耳立てられていたとしても「プロジェクトZの取材です」とでも言えば誰も本気にしないよ」
そこへ味噌煮込みうどんが運ばれてきた、でじこがふたを取ろうとしたら平田先生が待ったをかけた。
「私がいいと言うまでふたを取るな!」
「なんでかにょ?」
「このうどんはとても熱い!従って少しさましてからふたを取るのだ」
少しした後「もうそろそろいいだろう、各自ふたにうどんを取ってさましてから食べるのだぞ!鍋から直接食べたらやけどをするからな」
「固くて辛いうどんだにょ」
「食べながら聞くがよい、アキハバラを襲ったのは北朝鮮空軍と見て間違いないだろう」
3人ともぎょっとした。
「ぷちこちゃんが拾ったのは北朝鮮の1ウォン硬貨ということだ、日本円で1円あるかないかの価値しかないが、2ウォンあれば向こうでは地下鉄の全線に乗れる。兵士が持っていたとしてもおかしくない」
「そうだったのかにゅ」
「次にこの布は質の悪いビニロンだということだが、北朝鮮はその生産に力を入れていると聞く。北朝鮮の服と見て間違いないだろう」
作品名:デジキャラット・シンフォニー 作家名:細川智仁