銀新◆最後に笑うは我なりや◆銀魂
※「吾輩は狛神である」から微妙に続いています
新八の様子がおかしい。
和室の新八を盗み見しながら銀時は思った。新八は取り込んだ洗濯物をたたみながら、ぼんやりと焦点のあっていない目をしている。
今日は新八とよく目があうのだが、すぐにそらされる。銀時が何かと問うと、不機嫌そうに何でもないと返される。
そんなやり取りが今日は何度あったか知れない。
それでいて、新八は銀時をさけるようなそぶりも見せて、口数も少ないのであった。
やっぱり、なにか怒っているのか。銀時は読んでもいないジャンプのページをめくる。
怒らせた理由はわからないが、思い当たる節が多すぎて恐ろしい。一体なにがバレたのだろうか。
頭に浮かぶあれこれに、イライラと頭をかきむしる。
「銀さん」
「えっ」
洗濯物をたたみ終えた新八がこちらを向いていた。
「買い物つきあってくれませんか。タマゴが安いんですけど、お一人様一パックなんで」
何故か居住まいを正して、はい、と頷いてしまった。
作品名:銀新◆最後に笑うは我なりや◆銀魂 作家名:ume