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デジキャラット・シンフォニー 4

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「Mintさん、少しじゃなくて一番にほめてもらわなければいけないにょ」
「Mintさんの手柄は大きいにゅ」

でじこは神戸で数日間過ごしたが、故郷のデジキャラット星に帰ることにした。
Mintたちは引き止めたが、でじこはいつまでも地球にいられないとUFOを六甲山に持ち込んだのだ。
「これで平田先生からMintさんまでの歴史で、でじこが見届けなければならないことは全て見終わったにょ。今度はMintさんたちで歴史を記録していくんだにょ」
でじこが帰るといったのはもう一つ理由があった。それは久弥や美香から聞かされていた神戸の夜景を見るためであった。六甲山でも夜景は見ることはできたが、より高いところで見るにはUFOが最適と考えたのである。
人々はでじこに数々のお土産を渡したが、でじこが長江由美子に預けて秀彦に騙し取らせたお金、後に韓国政府は戦争の責任を全部秀彦に押し付けてさっさとお金を返して軍隊を引き上げさせたのだが、でじこに返す資産は賠償金も含めて30億円近くになっていた。由美子も今度のことですっかり懲りたのか精神を崩して入院生活を送り、ファンドマネージャーも引退すると宣言したのである。しかしでじこはそのお金を受け取らなかった。Mintに頼んで「平田久弥基金」として運用益を教育の発展に当てるよう信託銀行に「公益信託」としたのである。基金にはでじこの財産のほか本来の由美子の財産の大部分も組み入れられることになった。
「由美子さん、あなたにしてはめずらしいことですわね」
由美子はMintを抱き寄せて言った。
「文子、母さんね、思ったんだけどいくらお金を稼いで名声を得ても、やっぱりどこか空洞ができて切ない気分になるの。一人で暮らしているとどうしてもさびしくなるものよ。お金に囲まれて暮らすより文子がそばにいてくれたらどれだけ幸せだろうって。だからファンドマネージャーは辞めて専業主婦としてのんびり暮らすわ」
Mintは思わず泣き出した。
「お・・お母様・・・」
「文子・・・」
二人は抱き合って泣いた。

夕暮れになってでじこはみんなの見送りを受けた。
「みんな、元気出してにょ」
やがて日が沈むとでじことぷちこはUFOに乗り込んだ。
するとUFOは集まった大勢の人たちの完成を受けながら神戸の空へと消えていった。
UFOの中ででじこがつぶやいた。
「ぷちこ、あれが神戸の夜景にょ」