【テニプリ】ヒカリノサキ
いちゃついててもムカつくんだけど、何かいちゃついてないのもムカつくんだよね。我ながら凄い矛盾。手塚、跡部のとこにいるなら、早く越前に会いに行けって言って。このままじゃ、本当にプレイヤーとしても人間としても、越前は廃人になるよ。
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「…まあ、確かにいちゃついてないのもムカつくな…」
紅茶のカップを置いて、跡部は溜息を吐く。
「…廃人か。大袈裟だと思うが、不二の言うことはマジで洒落にならねぇからな…」
二度目の溜息を吐いて、跡部は冷えたベーコンエッグトーストを咀嚼し終えると、作成画面を立ち上げた。
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-----Original Message-----
From:shusuke.f@XXX.XXX.net
To:<keigo.a@XXX.co.jp>
Sent:Saturday.August 8 200X 23:44 PM
Subject:久しぶり。
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越前が調子を崩してるのは知っている。事の発端も手塚から聞いた。手塚の引退にショック受けて、越前、自分も引退するって衝動的に言っちまったのに、手塚がブチ切れて手を上げたんだとよ。その後、ちゃんと二人で話をすれば良かったんだが、頭に血の上った手塚が啖呵きって逃げたからな。その後のことは乾から聞いてんだろ?…ったく、世話の焼けるバカップルだぜ。来週末、そっちで商談があるから、越前の馬鹿面見てから、手塚に会わせるか決める。最悪の状態じゃ、手塚がまたブチ切れそうだしな。
お互い、アイツ等には手を焼かされてばっかりだな。
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紅茶を淹れ直し、跡部は一息吐くと、モニターを見つめた。
「…ったく、振り回され放しだぜ」
椅子を軋ませ、跡部はパソコンの電源を落とした。
作品名:【テニプリ】ヒカリノサキ 作家名:冬故