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【テニプリ】ヒカリノサキ

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ヒカリノサキ







 最初からそこは光で満ち溢れていたのに、どうして気付けなかったんだろう。
 目を開いて、その先に続くもの。

 そこには何があるんだろう?






 調子を取り戻したリョーマは今までの不調は何だったのか…それを裏切るような活躍を見せ、自分より格上の選手を破り、順当に順位を上げていった。、アメリカ・ニューヨーク市郊外のフラッシング・メドウ大会(全米オープン)では8強にまで残る健闘を見せ、向かえた一月、メルボルンの大会では決勝まで進んだ。
 そして今日がそのオープンの最終戦となる。後、一時間後には試合が始まる。…控え室、リョーマは携帯を弄んでいたが、意を決したように、短縮を押した。電話は数回のコールの後、繋がり、リョーマは緊張を隠せず息を呑んだ。
『リョーマ?』
どう切り出そうか、色々と考えていた言葉があるはずなのに、声にならず、リョーマは押し黙る。それよりも、手塚が電話に出てくれたこと、自分を名前で呼んでくれたことが嬉しい。
「…えーっと、久しぶり」
何と言っていいのか解らず、そう口を開く。
『あぁ。久しぶりだな』
変わらない優しい声にリョーマはほっと胸を撫で下ろした。
「…元気にしてた?」
『お陰様で』
「…そっか」
『お前は?』
「オレは元気にしてる」
『…そうか。それで?…後、一時間後には試合が始まるんじゃないのか?』
「…うん。…そうなんだけど、国光さんに謝らないといけないとなって思って…本当はもっと早く、電話したかったんだけど…」
『謝る?』
「…全仏のとき、オレ、アンタの気持ちなんか考えず、酷いこと言った。…ごめん」
リョーマは小さく笑った。
「馬鹿だよね、オレ。…アンタがあの日あの場所で、オレに言ってくれた、見せてくれたのに、それを忘れてしまうなんて。…いつの間にかそれを忘れて、アンタの後を追うのが楽だったから、いつの間にかそういう風にしか見えなくなって…これじゃ、昔と同じだよね」
それではいつまで経っても、自分は越前南次郎を、手塚国光を…そして、頂点にいるプレイヤーを超えることなど、出来はしない。

「…だから、オレはアンタに甘えるのをやめようと思う」