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言葉では足りないこの気持ちを、

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 ありえないだろ、と続く言葉はアメリカの言葉によって遮られた。というより、え?ちょっと待ってくれ、コイツは今何を言ったんだ?ああ、そうか、多分聞き間違えたんだ、きっとそうだ。アメリカが俺のこと好きなんて言う筈がない。
 また俺の思考回路がどこかへ吹っ飛んでしまった。一体今日は何度思考回路が飛んでしまえば気が済むのだろうか。

「聞き間違えたなんて言わせないよ、きみが好きって言ったんだ。だからキスもした。イギリス、家族とか兄弟なんて生温い愛情でひっくるめないでくれよ。俺がきみに抱いているのは恋慕だ。きみにとてつもなく惹かれて、手に入れたくて、愛おしくて、どうしようもない人だけど、でもどうしようもなく惹かれる人なんだよ」

 アメリカの突然の告白に思考がついていかない。突然すぎるだろ、そんな素振り全然見せなかっただろ、いつも俺のことからかって嫌味の一つ二つ告げては俺の反応を見て楽しんでいたじゃないか。もしやエイプリルフールか、とカレンダーに目を向けるが生憎とエイプリルフールはとっくに過ぎ去った後だ。
 なんてことだ、まさかアメリカは本当に俺のことをそういう対象で好きだっていうのかよ…?そ、そんなの、そんなの信じられるか、信じてたまるか!

「う、ウソだ!」
「言うと思った。とりあえず、きみ、休みはいつとれたの?」
「…………」
「言わないときみのところの上司に直接電話して確認するけど」
「!い、一週間後くらいになる…と思う…」
「じゃあ俺も一週間後休みをとるよ、だから一緒に旅行に行こう。ドイツでもイタリアでも日本でも構わないんだぞ。あ、ちなみに反対意見は認めないからね」
「……え?は、はぁ!?な、なんだと!?お、おま、何考えてんだ!」
「きみのこと考えてるよ。ああ、大丈夫。ちゃんと仕事も終わらせて上司の許可も貰ってくるから」
「そういうことじゃなくてだな…!」
「その時までに返事、考えといてくれよ。旅行の最終日まで待ってあげるからさ」
「えっ、えっ」

 じゃあね、今日のところはこれで失礼するんだぞ!そう元気に言い放ったアメリカは不意打ちにキスを落としていき、バイ、ダーリンなんて殴り飛ばしてやりたくなるようなセリフを吐いて出て行った。

「ど、どうすんだよ、どうすればいいんだ俺!」

 混乱して眩暈さえ感じる。とりあえず俺は傍に置いてあった携帯電話へと手を伸ばし、メモリの中からある人物の名前を探し出した。一人で考えていてもラチがあかない。とりあえず、誰かに言いたい、どうすればいいのか相談したい。俺一人で考えると思考回路が破裂しそうで怖い。変なこと考えそうで怖い。
 呼び出し音が続く中、唇に未だ感じる熱にかああっと顔中に熱が集まるのが分かる。落ち着け、俺…!
 何度目かのコールでやっと電話に出た相手に半ば叫ぶように事情を説明し、俺は手早く身支度を整えその人物の元へと飛んだ。