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僕の主成分、君への憎悪

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「アレっていえばアレでさぁ。俺達が意気投合したときのアレですよ」
「あぁ!もちろん!少なくとも本当に効き目があるのかわからない呪術物やそこらの人間よりよっぽど効果があると見たね」
「塵も積もれば山となる、信じる者は救われるってやつでさぁ」
「あはは、新羅みたいなこというなぁ。・・・あぁ、気にしないでよ。ちょっと知り合いに諺とか四字熟語が好きな奴がいてね」
「ふぅん、そうですかい。
 まぁ正直あの時は俺以外あんなのやってる人なんていないとおもってやしたからねぃ。驚きやしたよ」
「そう?結構人には心から殺したい奴っていると思うけどなぁ。でも身近に、しかもそれを堂々と口にする人間がいるとは思わなかったよ。これだから人は面白い!」
「・・・・・・ふっ」
「あはは!」



「『明日死んでくれないかなーってお星様に願って寝てる』」



「あんときはあんたがどんびきしてるもんだと思いやしたけど」
「まさか。心の底から感動していたんだよ」
「これからはおてんとさんにもやった方が効果的ですかねぃ?」
「さぁ、そればっかりはね・・・。
 じゃあ、とりあえず、シズちゃんと副長さんの今後を呪って乾杯?」
「そうですねぃ、お互い全力を尽くして殺しやしょう」
「もちろん。かんぱ~い」
「かんぱーい」

「しかし丼で乾杯するのも妙な図だね」
「マヨと小豆が混ざらなくてよかったですねぃ。・・・・あれ」
「ん?どうしたの?」
「電話でさぁ。ちょっと失礼しやす」
「うん。どうせ副長さんじゃない?」
「でしょうね。
 ・・・はい、ただ今お前のお使いの電話は爆破されまさぁしね土方。・・・・・・何びびってんですかい。んなの俺にできるわけないじゃないですかいい加減学習しろよ土方。・・・・・・あーうっせぇなぁ。・・・はいはい。・・・・・・・あ、・・・・今土方さん、俺がどこにいるかわかってます?・・・・こっちきてやすよね。・・・だよな、こりゃあまじぃな。じゃあなうっかり自販機に圧し潰されてしね土方」


「・・・・・・・ねぇ、もしかして」
「土方さんの声に混じってそちらの相方の声と破壊音が聞こえやした」
「うそー・・・こっちきてるんだよね?」
「あんたの臭いでも嗅ぎつけたんじゃねぇですかい?もうすぐ二人ともご到着って感じでさぁ」
「これは・・・あれだね」
「アレですねぃ」



「二人に好物を食べさせてあげなきゃね?」
「ですよねぃ?」



「・・・シズちゃんって甘いものは好きだって聞いたけど、小豆も好きだよね?」
「店員さん、これ二つともテイクアウトするぜぃ。・・・あぁ、食器代や弁償含め全部土方十四郎と平和島静雄につけといてくれぃ。もうすぐこっちにくるからすぐわかる」
「念のために名前と住所と電話番号、書いとくから」
「あー見えてきた見えてきた。で、旦那。やった後はどうしやす?」
「うーん、そうだね。俺、今日は特に面白い仕事もなくて暇なんだよなぁ」
「俺もでさぁ。けも旦那、そんなんじゃ秘書さんが泣きやすよ」
「波江さんは泣きはしないよ。睨まれるだろうけど。それに泣くといったら君のところの監察クンの方が泣いてるんじゃない?」
「あいつは苦労して泣くのが仕事だからしょうがねぇでさぁ」
「あっそ。とりあえずこの後だけど、万事屋で待ちあわせようか」
「わかりやした。どっちが先に着くか競争しやせん?」
「いいよ。・・・競争といえば、・・・・あの二人、なんか競争してない?」
「あー・・・なんつぅか、色々混乱したんでしょうねい」
「だろうね。うわぁ今時青筋たてながら腕を大きく振り上げて砂埃たてて全力疾走してる人間なんて初めて見た」
「馬鹿だねぃ」
「馬鹿だなぁ」
「・・・なんで俺たちまだあいつら殺せてないんでしょうかね」
「本当にそうだよ」
「来やしたね。・・・旦那、次の日に朝刊の隅に名前のってるとかなんないでくだせぇよ?」
「そちらこそ、返り討ちにあわないよう、健闘を祈るよ」


「待ちくたびれたぜぃ、土方さん」
「やぁシズちゃん、奇遇だね!」






「  さ  っ  さ   と   し   ね   !  」






                                       [ 僕の主成分、君への憎悪 ]