ドリーム・パーク/1~オープン戦編~
試合結果速報
「……勝ったな」
「……ああ」
「サンジ君、これ、約束のサイン」
「……どうも」
納得いかねええええ!!!!
ヒーローインタビューを終え、グラウンドで報道陣に囲まれている(しかもその中には超絶美人のオネーサマもいる)ゾロを見て、サンジはギャァァと髪を掻き毟った。
「しかし、あれはアレだな」
「岩鬼だ」
「なーつこはーん!」
ウハハハハ、と笑うウソップ、ルフィ、エースを、サンジは睨みつけるしかない。
まさか。そんな馬鹿なことが。
信じられない体勢から振りぬかれたバットは、信じられないコースのボールを叩き、その打球は信じられない勢いでバックスクリーンを目がけて飛んでいった。
かつてメジャーにも行った某選手は、ワンバウンドの投球をヒットにしたことがあると言うが、それとはまた別の話だ。
サンジはまるで夢でも見ているかのように、ぐんぐんと反るようにして上がっていく打球をぼんやり見送っていた。鳥か? 飛行機か? UFOか? 現実逃避にも近い忘我の状態から我に返ったのは、エースと塁審に肩を揺さぶられたためだ。
(太陽の……バカヤロー!)
なぜだかむしょうにそんなことを叫びたくなって、サンジはホームへ全力疾走したのであった。
結果、1−3。
オープン戦最終日のこの日、弱小・東海ストローハッツはようやく5度目の勝利を得た。
作品名:ドリーム・パーク/1~オープン戦編~ 作家名:ちよ子