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宮城野アリス
宮城野アリス
novelistID. 9620
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星を繋げて・前編【夏コミ米英新刊サンプル】

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0.プロローグ




落ちていく、落ちていく。
無数の星たち。
流れてく、流れてく
まるで、涙みたいだ。
なんで、あの日の俺はそんな風に思ったんだろう。
「アメリカ」
俺の手を引く君は、数多の星が流れ落ちていく空を指差しながら、ただ無邪気に笑っていたのに。
俺は、笑えていただろうか。
多分、笑っていたと思う。
だって、あの頃はあの人が側にいるだけで嬉しかった。
あの人が笑ってくれるだけで幸せだった。
だから、不思議だった。
なんで、あの星空を涙なんかに例えてしまったのか。
答えなんて、きっと何処にもない。
そんなものは後付けされたものに過ぎない。
ただ、何か予感めいたものがあったのかもしれないとは、今なら思う。
それこそ今さらな後付けだろうけれど。
「願い事はできたか?」
君が訪ねる。
俺は君が撫でてくれるのを待って、頷いた。
「うん」
あぁ、あの時、俺はなんて答えただろう。